チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 501

2022年09月17日 10時17分45秒 | 日記
吉祥文様、吉祥紋様、吉祥模様というのが着物の柄にある
いや着物の柄だけではなく、什器、建具などにも、風呂敷などの日常品にまで吉祥の柄は使われている

これはとりもなおさず、正しい波動を私達に与えてくれるものなのだ、と最近気が付いた
ある模様が、紋様が、文様が私たちの心理の中に入ると、怖いとか、それに従わなくてはならないとか、みんなと同じでないとつまはじきにあってしまう、という不安がうまれる
そういう文様をシンボリマークとして、常に目にさらされているという状態が今の世の中らしい。そのシンボルは心理学的によく計算されていて、一見かわいいとか、綺麗とか思ってしまうものが多く、見慣れて見続けていくうちにしっかり洗脳されてしまうのだ。例えば献血のウサギ模様(このシンボルの意味は怖いを通り越している)

着物のには一切そういう人の心理を束縛するようなものはなく、その柄を身に着けているだけで、自分もまわりも楽しくなるというものが多い
それはどういう柄かかといえば
「ずっとつながる」
ということに一つの心理がある、具体的に言えば、麻の葉文様や、七宝文様、流水文様など永遠につながっていく、その他には鶴亀とか、松竹梅とか、鳳凰や龍など、鶴も亀も長生きの象徴で、病気をしない。
松は一年中緑を保ち、竹は中身から成長してまっすぐに天に近づく、梅は二季にわたって咲き香りがよく、いち早く春を告げる、鳳凰は「火」を表し、龍は「水」を意味する、火と水、つまりカミ=神に通じる。このように吉祥を表す柄が日本人の体を包み、家具調度品の中に存在していた。

知らず知らずに私達を守ってくれていた文様から遠ざかってしまったのが現代人。単なる模様と考えないでほしい、シンボルマークが如何に人々の意識を変えてしまっていたか、歴史の中で様々観ることが出来る

私達の先祖は私達の一生がつつがなく送れるように、様々な吉祥紋様を作ってきてくれた。今こそ感謝して身に着けたい
文様は幾何学的な柄
紋様は生地の地紋に折りだされた柄
模様は手描きで染めた柄

コメント
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