チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 383

2020年10月20日 09時46分23秒 | 日記

秋色

やはり着るものは秋色になる

秋色紅葉が川に散って川面を紅葉で埋めてしまう

そういう景色を先人たちは帯や着物の模様にして楽しんだ。什器にもまた室内装飾にもその景色がうかがえる

自然を生活の場に取り入れたり、それを身にまとったり、日本人の感性って奥行きがある

 

絹一枚重ねただけで体が温まる。単衣と袷の肌感覚がこの時期敏感

この敏感さが日本人独特のように思うのだが

その敏感さが今は薄くなっているようにも見える

それは

赤ちゃんの産着やおむつの素材からもう肌感覚の劣れを強調している

自然素材を身に着ける習慣がなくなると、肌と自然との対話がなくなり、自然からのお知らせをキャッチできなくなる

此れってとても怖いし損

 

先日の夜いきなり人差し指が骨折したように痛くなった

季節の変わり目に体調を崩すという方とか、何となく、やる気がおきなくなるという方もいらっしゃる。また何かいいさなことに躓く、例えばうっかり電車を乗り過ごす、忘れ物をする、ダブルブッキングをしてしまうなどなど

そういう方は季節の変化を体がキャッチして、次なる用意に向けて心の準備、または整えるべきことを思いつくということだと思う

 

そう話を元に戻すと、指が曲がらないので、帯を結ぶのに手間取って、約束の時間の場所にぎりぎり

そこでは「楽伸流技力道」の中村先生に訴えると

急に冷えるよという御知らせだったのでしょうね、体を温めればすぐ痛みが取れますよ

エクササイズをして汗ばんだら静かに痛みが消えていった

 

こういう痛さのとき、昔の人は「体温めればーーー」というようなことを知っていたので、むやみに医者に駆け込まない

駆け込めば医者も商売病気を探す

その病名をもらうと安心して薬を飲む

そうして自然からどんどん離れていく

 

着物のおかげだと思う。自然はきっと喜んで教えてくれるのだ。自然とキャッチボールをすれば病気とは縁遠い

黄色、茜、柿色、だいだい色、辛子いろ、金色、生成り色、朱色 秋は体を温める色に満ち溢れている、秋色を身にまとうときっと体温も上がる

 

今日はこれから秋色の話をする会「彩・色いろ」九回目

 


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