チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 468

2022年01月05日 08時43分07秒 | 日記
今のチャ子ちゃん先生は新しい着物を仕立てる、というより仕立て直しを依頼することが多い
今もあるのかどうか、日本和裁協会(だったかな)なるものがあって、そこの理事をしていた時期がある
「着る立場から和裁士の教育をする」ということで選ばれて、いろんな土地に講演に行った。そこに関東なら関東支部というのがあって、皆さん一泊どまりで温泉につかり、固くない私の話を聞くということだった
広間を埋め尽くすほどの人数が集まっていた
(余談だがいまだに女将さんから四季折々の物が届く宿もある)

着る立場で姑との寸法のやり取りや、女優さんたちの着物に対する思いなどの内容を話していった。特に姑との寸法のことがとても参考になったらしく、その内容をもっと細かく知りたいという質問が多かった

五分とか二分とかの寸法の違いが、着ているとどう影響していくかという話は、和裁士にとっては新鮮だったようだ

姑が針を持つことが無くなっても、体形によっての寸法の違いを研究したい和裁士も多く、今でも横浜和裁学院の理事をチャ子ちゃん先生はしているが、前身の矢沢学院から数えると30年
ここの学院からは名人が多く傑出して、どんな注文もたちどころに理解して縫ってくれる人が多かった
しかし和裁を希望する学生が年々減って経営も大変、また大口であったデパートも着物売り場が縮小され、中にはきものの売り場のないデパートもでき、和裁士は日々消えていった

そんな中でも
「絹に触っているだけでも幸せ」
「いろんな生地がありその生地とかかわっているのが楽しい」
「柄合わせはパズルゲームのように面白い」
と言って和裁を続けている人もいる

最近若い人で一生懸命和裁に挑戦している和裁士がいるので、出来るだけその方に依頼しているが「高い」日ごろお付き合いしている名人よりはるかに仕立て代が高い

和裁士の試験もあって、その等級に合う仕立て代を決めていたけど、今は個人で勝手に決めるのだろうか

育てたいと思う気持ちと、支払う身になって考えると、やはり前からお付き合いしている名人に託すことになる
立場的にはハムレットだ


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