着物を持っていても
着付けが自分でできていても
着物を着るのが面倒だという人が多い
そうかと思うと、着物を面白おかしく着くづすのがいいと思っている人たちもいる
まだ大内順子さんがご健在の頃、順子さんの家の近くである絵画館前で行われた花火大会を二人で見に出掛けた。Tシャツの上に浴衣、浴衣の裾をたくし上げスカート状に着てサンダルばき、襟を大きく抜いて革のベルトを帯がわりにした人、いろんな姿の浴衣着装を見ながら花火を見た
終わって
「いろんな着方があってもいいわね、そうやって着物に親しんで貰えば、いつか正当な着物姿に落ち着いていくわよねきっと」と順子さん
それを受けて私「なんとも言いがたし、まず素敵ではなかったもの、奇をてらう時はそこに美も欲しい」
「比佐子さんらしい、そんなこと言ってたら着物着る人いなくなるわよ」
まさしく順子さんのいうとおりの展開になっている
この頃
大内順子さんは国道246号沿いに住んでいたので「246」という着物ブランドを計画し発表をしたばかりだった
着物に陰りが見え始めたので、洋服界のデザイナーや評論家に着物の 柄のデザインと、コーデイネートの提案をして頂こうと、問屋やメーカーに働きかけて企画を通した
大内順子さんには「縞紬」をテーマにスーツ感覚の着物姿を提案していただき、これは十日町の紬メーカーにお願いした
着物を普段に着るという習慣がなくなっていたが順子さんの名前もあってまあまあの売れ良き、そこから一気に洋服デザイナーブランドが登場ー着物業界は瞬時活気付いた
思いもかけない着物作りを彼らから提案されて職人さんたちは新たな技術に挑戦し、伝統と斬新さの融合を図った
そういう中で大内順子さんと私は「着物を守る会」を立ち上げた
この会の運営に順子さんはストレスで髪の毛が抜けたりもした。真面目に真摯に考え、まっすぐに突き進む方なので、本当に見習うことばかりだった
この会は三年続いたが
「比佐子さんもうやめようよ、もう手に負えない、依存する人ばかりだもの」
「おつかれさま」
という言葉しか出なかった
あれから35年たった!
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