チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 63

2018年12月05日 16時42分55秒 | 日記
毎日着物を着るという実験の中で非常に重要なものが足袋
はじめは既成品の足袋で満足していたが
歌舞伎俳優の取材をしたり
日本舞踊のお師匠さんたちの足元の美しさ
お茶の先生方の歩き方などに見とれていた

あるとき
日本舞踊の家元の取材に行った時
「あらごめんなさいちょっと電話に出ますね」
と席を立ち受話器を持ってお話をする仕草のなんと美しい
無駄な動きはまったくないのになにか温かい風が吹いてくる芳しさ
一体どこが違うのかとよくよく観察すると
それは足にピシっと決まった足袋の美しさだった

話をしながらつま先立ったり
足を引いたりするたびに溢れるような色気が出る
「そうか着物の着方ももちろん大切だがそれを決めるのは足袋なんだ」
と納得今日の取材の全ては終わったという感じでそそくさとおいとまする

即行動のチャコちゃん先生
その足で足袋やさんに向かった

結局都合5軒の足袋やを周り18年かかって「向島めうがや」に落ち着いている

既成品を買っていたとき
「柳型、細型、牡丹型」というのがあり裾広がり型のチャコちゃん先生は牡丹型
しかし足首が細いので足首にあきがあってなんとも見苦しい

足の形そのものズバリに作るところ
かなり足先を細く作る店(ここの足袋を履き続けていたら魚の目ができた)
当時は誂足袋は10足単位だったのでこの10足を履ききるまで痛い思いをする

考えたら途中でやめればいいものを律儀にも続けて穿いている
足型を取るので既成品を購入するよりは高額
しかし多少の修正はしてもらえるのでまた10足頼んでみたりする

足袋が足にあっていないと歩く姿が美しくない
もともと外股で歩くくせがあるので余計良くない

あちこち修正をしても小指の痛さが解消できず
シワひとつない足袋にしたいと思うので魚の目は日々大きくなっていった

めうがやさんはいきなり10足なんてことは言わず
まず一足はいて三回以上選択したあと
修正をきちんと見定め
あわせ、一重、麻の夏物など好みを6足つければ良い

丁寧な採寸が見事
この度を履くようになって魚の目は小さくなりいつの間にか消えた
外反母趾も治ったという人がいる

しかも足にピッタリしていて形もいい
あるきやすく形がいい難しい足型もスッキリとして見える

一度方を作ってしまうと値段も既成品とそんなに変わらない
足袋で18年も苦労した
足元が充実したことが嬉しい

#足袋 #めうがや #魚の目 #外反母趾





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