
長年取材活動していて「メモ」を取らないことが自分の中で自慢だった
数字と地名と名前は書き留めるがそれ以外のインタビューは一切頭の中
面白いことにまとめる文章を書いていると次から次に思い出してくる
この特殊才能はまだ新米記者だったとき
きちんとした記事を書かせてもらえず先輩の編集者に対してデーター原稿というのを書かされていた。それがその後小説家のデーター記者として取材の仕方を身につける。
初めて小説家のデーター記者をさせられたのは殺人犯の母親へのインタビューだった。やっと取材に応じることが約束されてお家に行きどう挨拶していいかわからずいきなり
「お母様はおいくつでいらっしゃるのですか?」
「はあ?」
「実は私の母とお母様は同年輩なのかなと思いまして、私は母に心配ばかり掛けたのでなにかふっと母を思い出してしまい失礼しました」
というようなことから相手が胸襟を開いた
息子の子供の頃の話母親とのつながり、母の思いなど深く深く聞くことができたのは、常に相手に多くを語ってもらうという態度だったからかもしれない。
話をしながらメモをとるのは相手との距離を遠ざけてしまうというような感じを持ち、数字と名前と住所だけは書いたがそれ以外は全くメモを取らず話し合った。
社に帰り字数など関係なく細かく細かく脳裏に浮かぶことを書き記した。小説家は大喜び新人とは思えない取材力だと褒めちぎられ、名指しでしばらくお抱えのようなデーター取材をした
その時一切メモを取らないということが身についてしまった
しかしここへきて対象を取材するということから、毎日自分が何を感じて行動しているかに興味が移ると「メモ」があったほうが整理ができるように思った
怒りを感じたとき、自分自身を俯瞰してみる、よろこびを感じたとき何が嬉しいのかを見る。そうすると自分自身が鮮明に見えてくる
そのためにメモ帳を持つ。メモ帳は美しいほうがいい。そう思う自分を別の自分が見るとどうなるのかメモする。
ややこしいけど面白い
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