゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

においと味の不思議

2008-05-10 16:00:00 | うんちく・小ネタ

生きるため必要な感覚                                                    苦味で危険な食べ物知る

100_0697 農薬が混入した中国製ギョ-ザで、重篤な被害                           を受ける人が出た事件は記憶に新しいだろう。食                           べた人の談話では、「苦味がしたけどハ-フ入り                           と書いてあったのでそのまま食べたら嘔吐や下痢の症状がでた」と                ある。この事例は、まさに、味を感じることの生物学的な意義を示し                            ている。日常生活では、味の役割りは生活の幅を広げるものと考え                           られている。しかし、本来は動物が“生きる”ために欠かせない感覚                           である。そのことは細菌が周囲の物質を認識して、近寄ったり離れ                            たりする「走行性」の実験でも確かめられる。苦味は、農薬の混入の                           ように食べ物の中に毒素が含まれていることを知らせる。農薬に限ら                           ず多くの毒物が苦味を有するからである。また、酸味は食べ物が腐                           敗していることを知らせる。食べ物が腐って発酵すると酸が発生する                           からである。従って、普段とは違う苦味や酸味を感じたら、とりあえず、                          口の中から吐き出す方が無難だと、今回の事件は教えてくれる。一                          方、おいしい食べ物は、適度の甘味、旨味、塩味を持っている。甘味                          は生活するエネルギ-が含まれていること、旨味はわれわれの体を                           作るアミノ酸や核酸が含まれていること、塩味は体を構成する細胞が                           正常に働くことに必要なミネラル類が含まれていることを、それぞれ                           知らせている。食べ物のおいしさを判別する味覚は、われわれが生                            きていくために不可欠な機能なのである。(柏柳 誠)

かしわやなぎ・まこと 1956年、神奈川県厚木市生まれ。旭川医大                          医学部教授(生理学講座神経機能分野)。北大大学院薬学研究科                           修了。同助教授を経て2003年から現職。86年に井上科学振興財                            団(東京)の井上研究奨励賞。日本味と匂(におい)学会学会誌編集                          委員長。

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