両方の意味と値把握を<當瀬規嗣解説>
健康に気を使う年配の方々は、自分の血圧に常に気を払います。 各地の健康相談などでも血圧測定は欠かせないイベントになってい ますし、家電販売店で自動血圧計の実演があると、必ず測ってみる 方が多いようです。折に触れ自分の血圧を測っておくのは、健康管 理にはとてもよいことです。そのためにはぜひ、血圧の値の意味を 理解しておいてほしいと思います。「血圧が120の70だから健康!」 とか、「上はいいけど下は95で気をつけなきゃ」なんて、よく聞きます よね。なぜ、血圧の値に「上」と「下」の2つがあるのか、みなさんご 存じでしょうか。血圧は決して一定のものではありません。脈に合わ せて上下しています。その最高値が「上の血圧」、最低値が「下の血 圧」です。上の血圧は、心臓が収縮して全身に血液を送り出した最後 の瞬間に、動脈の圧力として測られた値です。「収縮期血圧」とも言 います。心臓の収縮力か゛強く反映しています。下の血圧は、心臓が 拡張して心臓内に再び血液を呼び込んでいる最後の瞬間に測られた 値です。「拡張期血圧」とも言います。このとき、血液か゛心臓から動 脈に流れ出す大動脈弁が閉じているので、心臓内の圧力は動脈には 伝わっていません。拡張期血圧は、動脈中の血液が動脈の壁を押す 圧力だけを測っているのです。こうしてみると、2つの血圧に、それぞ れ別の意味があります。ですから両方の値をきちんと把握していなけ れば正確な血圧測定とは言えません。みなさんもぜひ、両方とも覚 えてください。(とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)