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高齢者に処方-この薬避けて

2008-05-23 16:00:00 | 健康・病気

副作用の危険が大

医師が日常診療で患者に処方する薬のうち、65歳以上の高齢者に                           は避けた方が望ましい薬の一覧表を、国立保健医療科学院(埼玉                            県和光市)の疫学部長、今井博久さん(49)=札幌市出身=らの研                            究グル-プが作った。国内初の試みで、医師や薬剤師だけでなく、                            高齢者本人や家族、施設の職員にも参考になる。

保健医療科学院が一覧

100_0721 高齢になると、いくつかの病気で、何種類もの薬                           を服用する人が多くなる。一方で、体の中で薬の                          成分を分解、排せつする機能も低下してくるので、                          同じ薬でも若い人に比べ、副作用などが起きやす                          い。今井さんは「お年寄りが薬のせいでふらついて                         転び、骨折して寝たきりになつたり、最悪の場合                           は心臓が止まったりする例か゛ある」と警告する。

100_0722 3年かけ完成

米国では1991年に、高齢者が避けた方がいい基                         準となる薬のリストが完成。何度か改訂され普及し                         ているという。国内では、研究グ-ルプが3年前か                          ら、日本版づくりに取り組んできた。日本版は、米                          国の最新リストと、国内外で高齢者に適切でなかった処方例の報告約                          4000の論文をみとに、9人の医師と薬剤師が薬を選んだ。選考基準                          は「患者にとって有益か有害かを比べ、益より害が大きく、他に代わり                          となる薬があるならば、その薬は不適切とする考え方」(今井さん)だ。                          4月に公表した日本版は、65歳以上が「常に使用を避けることが望ま                          しい薬」と「特定の病状がある場合に、使用を避けることが望ましい薬」                          の一覧表。薬は合わせて約70種。薬剤名と、避けた方がいい理由が                          記されている=表参照=。

主治医と相談

今井さんは「これまで見過ごしてきた高齢者への不適切な薬剤処方を                         防ぎ、安全な医療を受けられる一つの指針として、医療現場で役立てて                         ほしい」と話してている。だが、現場では掲載した薬を使わざるを得ない                         場面も予想される。高齢者の知らないうちに、一覧表の薬が処方されて                         いることもあるかもしれない。「医師はやむを得ず処方するのであれば、                         患者や家族に十分に説明し、同意を得てから慎重に投与してほしい。患                        者側も慌てて過剰に反応せず、分かった時点で、まず主治医とよく相談                        し、気になる症状があれば伝えてもらいたい」と、今井さんは助言してい                         る。

         ◇

一覧表は、国立保健医療科学院疫学部H・Pへ。一覧表に載せた薬の                          代替薬のガイドブックが、今年秋ごろまでにできる予定。

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