メコノプシス栽培の第一人者 小樽の続木さん 著書出版 「環境問題考える題材に」
ヒマラヤの青いケシとその仲間たち―メコノプシス栽培への挑戦 価格:¥ 2,940(税込) 発売日:2008-04 |
「ヒマラヤの青いケシ」と呼ばれるケシ科高山植 物メコノプシスを日本で初めて開花させ、栽培の 第一人者とされる小樽市赤岩の園芸店主続木忠 治さん(76)が、栽培秘話をつづった本を出版した。 続木さんは「暑さに極端に弱いこの花は温暖化で 真っ先に姿を消す。身近な環境問題として考えて ほしい」と話している。著書は「ヒマラヤの青いケシ とその仲間たち メコノプシス栽培への挑戦」。メ コノプシスは約60種類があり、このうち青い花を 咲かせるメコノプシス・グランディスはヒマラヤ山脈の標高3千-5千 ㍍に自生。高温多湿の日本での栽培は難しい。続木さんは1977年、 英国の王立エジンバラ植物園から種を譲り受け、80年、日本初とさ れる開花に成功。90年には国際花と緑の博覧会(大阪・花の万博) に出品し、全国の話題を呼んだ。本では、開花までの苦労や、失敗 を重ねても種を送って励ましてくれた英国の植物園職員との親交をつ づった27編のエッセ-を掲載。温度や肥料の量などのデ-タも公開 した。青のほか、赤や黄など小樽で咲かせた25種類を270枚の写 真で紹介した。高山植物を中心に3千種類の植物を栽培する続木さ はエッセ-で「温暖化により、多くの植物が近い将来、地球から消え てしまう」と訴える。5月上旬の暑さで、今年のメコノプシスは例年より 20日も早い21日に青い花を咲かせた。