産総研など 実用化へ前進
皮膚などの体細胞から作り、さまざまな細胞になる能力があるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を自動培養することに世界で初めて成功したと、川崎重工業、国立成育医療研究センタ-、産業技術そ総合研究所が28日、発表した。iPS細胞の実用化に向けては、安定的な大量培養技術が必要とされていた。開発した自動培養装置は高さ2・1㍍、幅2・2㍍、奥行き1・4㍍の箱型。内部にロボットア-ムを備える。画像処理による未分化なiPS細胞のより分け、培養液の交換や破棄、培養血の移し替えといったiPS細胞の培養に必要な複雑な作業を自動化した。同時に約20系統を自動培養でき、15週間連続培養した細胞は正常がであること確認された。iPS細胞は、病気の原因解明や新薬開発での利用が期待されており、産総研甘幹細胞工学研究センタ-の浅島誠センタ-長は「自動培養でIiPS細胞の研究は大きく加速するだろう」と話した。