゛まるかん人゛プラトーク

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白血病薬 効かねば「黄信号」

2010-07-31 15:47:18 | 健康・病気

北大医学チ-ム 判定法開発 クラゲ蛍光色で識別

北大大学院医学研究科の大場雄介准教授(病態医科学)と近藤健講師(内科)らの研究チ-ムが29日、10種類以上ある慢性骨髄性白血病の治療薬が、患者ごとに有効かどうかを治療前に判定できる手法を開発したと発表した。発光クラゲの蛍光タンパク質を使って作った分子構造を、患者から取り出した細胞に注入し、タンパク質が出す光の色で有効性を判断する。現在は最長1年かけて適合する薬を探しているが、この手法なら、患者の負担を軽減できる。29日付けの米がん学会誌に掲載された。慢性骨髄性白血病の患者の約7割は「イマチ二プ」という薬で原因タンパク質の活動を抑えられる。しかし、効かない患者がいるうえ、1度効いても耐性ができ効果がなくなる例も報告されている。大場准教授らは薬の効果を判定するセンサ-として、2008年にノ-ベル化学賞を受賞した下村脩博士が発見した蛍光タンパク質に着目。遺伝子工学の技術を使って、蛍光タンパク質の遺伝子を組み込んだ新たな分子構造を作った。この分子構造は白血病の原因タンパク質が働くことで細胞に生じるリン酸化の有無で違う色の光を出すよう作られており、それを薬を服用した患者の細胞に注入。薬が効かずに細胞がリン酸化していると、細胞内が黄色く光り、薬が効いてリン酸化していないと、青緑色に光る。研究チ-ムは実際に患者の細胞を使い、この手法の有効性を確かめた。現在はこうした事前の判定ができず、患者に適合した薬を探すために次々と薬を投与している。一つの薬を試すのに数ヵ月かかるため、有効な薬が見つかるまで1年ほどかかる場合もあり、患者が副作用や病状悪化などに苦しむことがあった。大場准教授は「今後1~2年かけて試験を重ねて有効性をさらに確認し、実用化したい」と話している。

100_7869 慢性骨髄性白血病 遺伝子の異常により、がん細胞を生じさせる原因タンパク質ができ、骨髄で白血球が過度につくられる血液のがん。発熱や倦怠感が続き、脳や心臓に転移する例もある。急性より少ないが、国内では年千人が発症し、現在の患者は約5千人。死亡例も多い。

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根治療法未確認の「表皮水泡症」

2010-07-31 14:40:22 | 健康・病気

骨髄移植 治療に有効

北大大学院研究科皮膚科学分野(清水宏教授)の阿部理一郎講師(41)と藤田靖幸医師(32)らの研究班は、骨髄移植が難病の表皮水泡症の症状を改善させ、治療に有効なことをマウスで確認した。最新の米科学アカデミ-紀要(電子版)で発表した。

北大研究班マウスで確認

皮膚表面の表皮とその下の真皮をつなぎ留めるタンパク質がないために起きる同症は、根本的な治療法がない。今回の研究は骨髄移植が有力な治療法となる可能性を示した。研究班は、原因タンパク質の一つ、17型コラ-ゲンが生まれつきない同症のマウス20匹に、健康なマウスの骨髄を移植。その結果、移植した骨髄の一部が皮膚細胞に分化し、8割以上のマウスの皮膚に移植でできた新しい細胞や17型コラ-ゲンを確認した。水疱ができにくくなるなど皮膚の症状も改善した。研究班によると、同症の根本的な治療法としては、欠損タンパク質の遺伝子を患者の皮膚細胞に導入する遺伝子治療や、タンパク質自体を皮膚に補充する治療法か゛挙げられるが、まだ研究段階だ。阿部講師らは「今後は、ヒトでも骨髄移植でタンパク質や皮膚を形成できるか確かめねばならない。骨髄移植は白血病などの治療で既に行われており、他の研究段階の治療法に比べ、障壁は低く、実現性は高い」と話している。

治療法発展に寄与

大阪大大学院医学系研究科の玉井克人准教授(50)=遺伝子治療学、皮膚科学=の話 骨髄移植が有力な治療法の選択肢の一つとなる道を開いた。今回のマウスの実験で、治療の安全性や有効性、メカニズムや課題などを検討、評価できるようになり、治療法の発展に寄与する成果だ。

治療進めてほしい

患者会「表皮水泡症友の会 デブラジャパン」(札幌)の宮本恵子代表(55)の話 毎日のように水泡の処置や患部のガ-ゼ交換で痛みに耐えている患者にとっては、希望となる研究結果だ。治療法がないこの病気が1日でも早く治せるようになるため、さらに研究や治験を進めてほしい。

表皮水泡症

生まれつき皮膚が弱く、ちょっとした接触や刺激で表皮と真皮の接着がはがれ、水ぶくれ(水泡)やびらん(たたれ)ができる。繰り返しできる水泡などで手足の指が癒着したり、できた潰瘍ががんになったりすることもある。国内推定患者(難病)で医療費が助成される。

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