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橋本病は圧倒的に女性に多い病気です!

2010-07-30 17:16:04 | 健康・病気

ウイミングクリニック札幌 院長 内科医 堀本正禎さん                                    札幌医科大学医学部卒業。医学博士。解説

●発症率は男性の20倍

甲状腺ホルモンが不足した状態を甲状腺機能低下症と呼びますが、その代表的な病気が橋本病です。橋本病は、抗サイログロブリン抗体や抗甲状腺ヘルオキシダ-ゼ抗体と呼ばれる自己抗体により引き起こる慢性甲状腺炎で、女性に発症する頻度は、男性の約20倍です。

●症状と治療法

橋本病が進行し、甲状腺機能が低下すると①首の前部が腫れる②体温が低い・寒がり・疲れやすい・動作が鈍い・体重が増える・むくみなどの全身症状③もの忘れ・無気力・眠たい・ボ-ツとするなどの精神症状④脈が遅い・息切れするなどの循環器症状⑤汗がでない・皮膚が乾燥する・脱毛・まゆが薄くなるなどの皮膚症状⑥食欲低下・便秘などの消化器症状がみられます。さらに女性では過多月経や無月経など月経に関するトラブルが初発症状になる事もあります。また高コレステロ-ル血症、肝障害、貧血などを指摘されたり、これらを治療しているのに改善が見られない場合には、橋本病が原因になっている事があるので注意が必要です。治療に関しては、甲状腺機能が正常であれば必要ありませんが、機能が低下している場合には、不足している分だけ甲状腺ホルモン薬を内服します。血液検査をしながら適切な量を調節しますので、薬による副作用の心配はありません。長期間の治療が必要ですが、血液中の甲状腺ホルモンが正常にコントロ-ルされていれば、日常生活、運動、仕事、妊娠、授乳など特に制限はありません。

●定期検査が重要

橋本病では①甲状腺機能低下症のほかに、②一過性に甲状腺機能が亢進する無痛性甲状腺炎③TSHレセプタ-刺激抗体が原因で甲状腺機能が亢進するバセドウ病④甲状腺がんや悪性リンパ腫などの甲状腺腫瘍を合併することがあります。それぞれ治療法が異なりますので、初診時に治療の必要がないと診断されても、必ず定期的に血液検査や超音波検査などを受けて下さい。

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