゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

脊髄損傷 神経を修復

2010-08-18 16:20:07 | 健康・病気

奈良などのチ-ム マウスで成功 幹細胞に薬剤併用

100_7883 神経細胞を作るもとになる神経幹細胞に、てんかん薬を加え、効率良く神経細胞を再生させ、脊髄を損傷したマウスを歩けるまでに回復させることに奈良先端科学技術大学院大や鹿児島大などのチ-ムが成功し、16日付けの米医学誌電子版に発表した。チ-ムはこの手法を「HINT法」と命名。今後は霊長類で試し、人間での臨床応用を目指す。交通事故で生涯、下半身不随となるなど、治療は困難とされてきた脊髄尊称の治療に向け、大きな前進となりそうだ。これまで人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使った神経再生がマウスで試みられているが、チ-ムは、てんかん薬のパルプロ酸が神経幹細胞の遺伝子構造を変え、高い効率で神経細胞を作り出すことに着目。脊髄が傷つき下半身不随のマウスに、ほかのマウスの胎児の脳から採取した神経幹細胞を移植し、パルプロ酸を1週間注射した結果、その6週間後には21匹のうち15匹が歩けるようになった。残り6匹も症状が大きく改善した。移植した幹細胞からできた神経細胞が、損傷した神経回路をリレ-するようにつないでいた。移植した幹細胞は、パルプロ酸を投与しないと1%以下しか神経細胞にならなかったが、投与すると約20%に増えた。移植した幹細胞からて゛きた神経細胞を除くと再び歩けなくなり、移植細胞が直接効果を発揮していることも確かめた。チ-ムの中島欽一奈良先端大教授は、「幹細胞と、てんかん薬を組み合わせた世界初の試み。脊髄損傷だけでなく、神経回路の損傷を伴う脳卒中などの治療にも使えるかもしれない」などと話している。

幹細胞の供給源課題

<解説>奈良先端科学技術大学院大などのチ-ムの成果は、人間の治療にも大きく貢献する可能性があるが、幹細胞をどこから調達するかといった課題も多い。チ-ムは、移植した幹細胞から神経細胞への変化を進める薬剤として、てんかん薬としてすでに使われいるパルプロ酸を使用。新規薬剤に比べ、安全性のハ-ドルは低い。ただ、移植した神経細胞はほかのマウス胎児の脳から採取しており、人では入手が難しい。神経幹細胞の供給源として期待されるのが人工多能性幹細胞(iPS細胞)だ。iPS細胞は人間の皮膚にどから作製でき、あらゆる組織になれるとされる。移植に伴う拒絶反応を避けられるなど、再生医療の切り札とみられている。チ-ムは、iPS細胞から作った神経幹細胞でも同じ治療効果があるかマウスで検証中で、成功すれば人間での応用も現実味を帯びてくる。一方で、iPS細胞からできた組織はがん化しやすいとされる。実用化には時間がかかりそうだ。

コメント

がん攻撃細胞2種 同時活性化

2010-08-18 16:14:12 | 健康・病気

北大チ-ムが新ワクチン 免疫増強 がん消失例も

100_7882jpg01

北大遺伝子病制御研究所の西村孝司教授(免疫学)らの研究チ-ムは17日、がんを撃退する免疫細胞「ヘルパ-T細胞」と「キラ-T細胞」を同時に活性化させるワクチンを開発したと発表した。抗がん剤などが効かない患者のがんが消えるなど、臨床試験で効果を確認した。22日から神戸市で開かれる国際免疫学会で発表する。人間の免疫ががん細胞を撃退する場合、「ヘルパ-T細胞」という免疫細胞が「キラ-T細胞」に指令を出し、がん細胞を殺す。こうした細胞が活性化すれば、人が本来持つ免疫システムそのものを活用・強化することで、がんの治療を進めることができる。従来の研究では、アミノ酸が数個結合したペプチドと呼ばれる物質を投与し、がん細胞を直接攻撃するキラ-T細胞の活性化に力点が置かれていたが、西村教授らは、見過ごされてきたヘルパ-T細胞に注目。40個のアミノ酸を人工的につなぎ、ヘルパ-T細胞とキラ-T細胞を同時に活性化させるペプチド「H/K-HELP(人工ヘルパ-/キラ-ハイブリッドがんペプチドワクチン)」を人工的に合成することに成功した。北大病院や近畿大医学部などで臨床試験を行ったところ、一定の投与を終えた6人のがん患者のうち、4人にがんへの免疫反応の増強を確認。近畿大では乳がんから転移し、抗がん剤や放射線療法が効かなかったリンパ節のがんが消失した例があった。北大では大腸がんが転移した肺で病巣の増大を抑えるなどの効果がみられた。重い副作用もなかった。臨床試験を担当した近畿大の奥野清隆教授(外科学)は「末期患者のがん消失には担当医として非常に驚かされた。患者にとって、実用化が強く期待される」とした。西村教授は「効果があった乳がんや大腸がんなどを中心に臨床試験を繰り返し、実用化を目指したい」としている。

価値ある立証

国立がん研究センタ-東病院がん治療開発部の中面哲也・機能再生室長の話 現在実施されているがんペプチドワクチン療法はキラ-T細胞の活性化がほとんどだが、効果が出る頻度が低く、救世主にはなり得ていなかった。今回、臨床試験で実際にがんが消失するなどヘルパ-T細胞の重要性が立証された価値があり、実用化に向けてヘルパ-T細胞の活性化を併用した研究が拡大するだろう。

100_7882

コメント