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小杉 健治 /絆

2011年01月18日 | 小説
小杉 健治  著 を読みました。




“夫殺し”の起訴事実を、すべて認めた被告 弓丘奈緒子。

執拗に無実を主張する原島保弁護士。

犯行に使われたと思われる柳刃包丁を買ったのは奈緒子だ、と認める証人。

殺された夫には愛人がいた。

離婚話もあって…状況は被告不利に傾むいてゆく。

だが、裁判の進行につれて明らかになる秘められた意外な真実とは・・・。


法廷内だけを舞台にして、‘私’こと、ある司法記者の目を通して、進行してゆく審理を追ってゆく。

”裁判とは真実を明らかにする事。”

しかし、その真実が明るみに出ることは、ある人間の不幸を導き出す。

被告人は、このことを避けるために、無実の罪を背負う覚悟をしたのだった。

一方、被告の無実を確信する孤高の弁護士、 原島がその真相を暴いていく。

”被告人の利益となるのは真実のみ”という信念をもって・・・。

原島は言う。

「人には命よりたいせつと思うものもあるということを、頭に入れておいていただきたいと思います。」

人間の心の気高さを謳いあげる感動の長編法廷ミステリー。

横山秀夫の「半落ち」に感動した方にはこの本もお勧めです。

1988年度「第41回日本推理作家協会賞」受賞作。

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