「 著 刑事たちの夏」を読みました。
大蔵官僚が墜落死した。自殺なのか他殺なのか―。
緊急招集された捜査一課強行犯六係・松浦洋右はいち早く他殺を示唆する状況証拠をつかんだ。
しかし、突如その死は自殺と断定され、捜査は中止となる。
マスコミに情報をリークし、単独捜査を続ける松浦は警視総監と警察庁長官の対立、その背後にあった大蔵省の暗躍にたどり着く。
北海道のリゾート開発に絡む明和銀行不正融資事件で、大蔵省の不正を克明に記した「白鳥メモ」を巡り、事件は大きく旋回する。
メモはどこにあるのか。 誰が持っているのか。
松浦刑事の息子は事故に遭い、自身は警察に拘留された。
盟友、大和田元刑事と古沢検事の必死の捜査が続く。
大蔵省、警視庁、警察庁、そして…。
陰謀と陰謀がとぐろを巻いて絡み合う・・・。
京都祗園祭りへ行く観光バスの中で上下巻を読破しました。
往きに12時間・帰りに11時間もかかれば読書をするにも充分な時間があります。
さて、この小説は表題通り「刑事達の熱い夏」が描かれてゆきます。
単純な一人の大蔵官僚の墜落死の謎解きが、徐々に政 界と官庁、そして警察組織自身を巻き込む巨大な疑獄に発展して行く・・・。
癒着し合う権力が闇に葬ろうとする事件を,複数の刑事たちがそれぞれの立場から,それぞれの流儀で明らかにしようとします。
最終的には大がかりな物語へと発展してゆきますが、ストーリーが明快かつ巧みで非常に読みやすい。
なにせ、ストーリーが面白く、スピード感があるのでぐいぐい引き込まれました。
お蔭様でバスの中も退屈知らずで過ごせました。