京都某所では、狙うのは専ら魚を咥えて水上に飛びだすカワセミの姿であった。
みんな、枝に止まったカワセミなんて捨てるほど撮っているので興味がないし、カワセミ撮影の醍醐味は難易度の高い捕食シーンの撮影である。
ほんとに数秒の勝負。
一瞬の立ち遅れがチャンスを逸す。
素早いカワセミの動きを捉えるには道具がいる。
動体捕捉に適したカメラ・・・AF機能、追尾機能、連写機能が高いカメラ。僕はEOS 7D Mark II。フラッグシップ機を使う人も多い。
レンズは500ミリ。APS-Cカメラとの組み合わせで、フルサイズ換算800ミリとなる。レンズが一番高額。1ドル=80円の時にアメリカから逆輸入。
重いレンズを支えるしっかりした三脚。定番はGITZO。
レンズを自由自在に動かせる雲台。ザハトラーというドイツ製の高級雲台をみんな使っているが、ビンボーな僕はもっと安いヤツ。
照準器。ファインダーをのぞかず、照準器のドットでカワセミを追いかけ連写する。まさに機銃掃射、シューティングゲーム。
ところが、K公園のカワセミはこれらの道具が使えない。
距離があまりにも近すぎるのと、橋の欄干越しという三脚が立てづらい状況での撮影になるからだ。
300ミリレンズの手持ち撮影となり、枝に止まった姿は撮りやすいが、動体捕捉となると、武器のない丸腰で勝負するようなものだ。
カワセミの素早い動きをファインダーの中から逃さず追いかけるには、距離が近ければ近いほどフレームアウトの可能性が高まる。
しかも、照準器でなく、ファインダーでの撮影でいったんフレームアウトしてしまうと再びカワセミをフレームの中に戻すのはほぼ不可能である。
つまり、近い距離でのカワセミの動体撮影をファインダーで行うのはとても難易度が高いということだ。
とはいえ、ここのフレンドリーなカワセミは、何度も水に飛び込んでサービスしてくれるので、なんとか撮れないものかとトライしてみた。
ピントはあってるが、羽が広がってない。
羽は広がっているがピントが合ってない。
顔が枝の陰。
形がよくない。
ピン甘。
形がよくない。
枝が邪魔。
なかなかイメージ通りの写真は撮れそうにない。
さらに、ここでの最大の問題は、捕食は魚ではなく、エビということ。
エビでは写真的にキレイでない!
それにしても、エビを丸ごと呑み込んで消化するなんて、スゴイ消化力!
結論 ここのカワセミはとてもフレンドリーではあるが、京都某所で撮影していたような、魚を咥えて水上に飛び出すシーンは撮れないってことだ。
今までさんざんカワセミを求めてあちこち探し回ったが、福岡でのカワセミ撮影は諦めた方がいいかもしれない。