ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

このごろ都にはやるもの?

2009-04-21 | 読むこと。

         『鴨川ホルモー』
          万城目 学


以前、京大生を息子さんに持つ友達が、おもしろいよ、と
教えてくれた本です。
 
京大生だった作者が、京大生を主人公に、京都を舞台に描いたこの作品。
馴染みの地名や、懐かしいお祭が出てきて、
京都で学生生活を送った人には、学生時代がとても懐かしく
思い出される小説ではないでしょうか。

とはいっても、得体の知れないことタイトル(笑)、
すぐに読もうとは思いませんでした。
最近、映画化されるということで、また目にするようになり、
めずらしく主人が興味を示したんですよね。
私自身、何かで「オニ」が出てくるらしいと知り、
そういう類のハナシなの?と興味を持ったわけです。

はい、そういう類のハナシでした(笑)


青春ファンタジー、というのでしょうか。
奇想天外なストーリーではあります。
でも、京都という舞台設定がミソなんですよね。
京都なら、こういう「モノ」たちがいて、千年の昔から
大学間でこの競技を競い合ってる(この競技をホルモーというわけです)
といわれても、あり得るかも・・・と思ってしまうわけです。

この競技を競う合うのは、京都産業大学玄武組、立命館大学白虎隊、
龍谷大学フェニックス、そして主人公のいる京都大学青竜会。
まあ、これらの大学が千年前からあったわけではないでしょうけど、
細かいことはおいといて。

このホルモーの始まりを作ったのが安倍晴明、という設定で
(主人公の名前も安倍です)、京都の町(つまり平安京)を、
北を玄武、東を青竜、西を白虎、南を朱雀とみなし、
それぞれの大学に当てはめたわけです。

四神相応に基づいた平安京の成り立ちを、
講義で習った長女に教えてもらったことがあるので、
それにうまく大学に当てはめたなあ、とそんなところで感心しました。
それ以外にも、京都の雑学がちりばめられていて、
格好の京都案内にもなりそうです。

肝心の物語ですが、奇妙奇天烈な「ホルモー」なる競技を戦う
学生たちの、恋と青春の、真剣だけれどばかばかしいお話。
もちろん、笑えます。

イヤなことがあたっとき、ちょっと凹んだとき、
むしゃくしゃしたとき、気分転換で読むのにもってこいです。

黒ぶちの眼鏡をかけた、大木凡人みたいな女の子、
凡ちゃんこと楠木ふみ、いい味出してます。
こういう隠れた才能を持った女の子、好きですね(笑)
他にちょんまげ頭の高村くん、前会長のスガ氏など、
ユニークな人物がけっこう登場します。
(登場人物の名前も、歴史上の人物からとってあるような?)

それぞれのキャラクターをもう少し突っ込んで描いたら、
もっと魅力的になるのになあ、と残念に思っていたら、
続編があるようです。
こちらも読んでみたいですね。
でも、映画の方は、「あの」場面がスクリーンに映し出されるの?
と思うと、見たいような見たくないような・・・(笑)

コメント (2)
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