万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

チベット亡命政府はジェノサイドで提訴を

2008年08月22日 14時42分31秒 | 国際政治
「チベットで中国軍発砲、140人死亡か」ダライ・ラマ発言(読売新聞) - goo ニュース
 チベットを救うためには、あらゆる手段に訴える必要があり、このまま手を拱いていますと、チベットは、中国によって”民族浄化”されてしまうかもしれません。そこで、まずは、チベットの亡命政府が、国際司法裁判所(ICJ)への提訴を試みてはどうか、と思うのです。

 ICJへの提訴は、一般の国際法ですと、紛争の当事者となる両政府が合意しなければなりません。しかしながら、ジェノサイド条約に限っては、それが、人道上の重大な罪に当たるため、両者の合意がなくとも、当事国であれば、訴えることができるのです(同条約第9条)。ダラム・ラサのチベット政府は、亡命政府ではありますが、法人格は維持しています。むしろ、国際裁判上の当事者となることで、チベット亡命政府は、国際的な立場も強化できるかもしれません。

 当事国以外の国の政府でも、チベットを救うために、中国による虐殺の防止行動を安保理に要求することもできます(同条約第8条)。時間は待ってはくれませんので、できることから始めませんと、手遅れになってしまうかもしれないのです。

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