万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

消費税増税―歳入の増減が問題

2012年04月02日 16時38分48秒 | 日本政治
消費税法案、衆院で修正と岡田氏=自民「小沢切りなら賛成も」(時事通信) - goo ニュース
 野田政権が、着々と進めている消費税増税法案。当法案には、経済へのマイナス影響に配慮して、景気条項は書き込むものの、増税の条件とはしない方針とのことです。

 景気条項は、経済成長率を勘案しながら増税率を決めるという発想のようですが、より重要な観点は、増税によって、歳入が増加するのか、減少するのか、ということではないかと思うのです。仮に、消費税率を上げることで、懸念されている通り、国内の消費が低迷し、企業の収益が悪化しますと、当然に、所得税や法人税の納税額が減少しますので、歳入は減少することが予測されます。歳入が減少すれば、財政状況もまた、健全化どころか、さらに悪化しますので、増税効果を吹き飛ばしてしまうことになります。市場経済では、政府と国民との間でゼロ・サム関係が成立する農業中心の経済とは違い、税収は、消費を含めた経済活動に連動しますので、増税=政府の増収とはならない可能性があるのです。

 こうした消費税の性質を考えれば、見直しを行うならば、増税後の歳入の増減を判断基準とすべきなのではないでしょうか。増税しても、歳入が減少しては、国民生活を貧しくするだけで、全く意味がないのですから。

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