万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

反脱原発は死亡する確率の高い心臓部の手術

2012年04月25日 15時27分22秒 | 日本政治
橋下市長は短絡的、専門家が安全宣言…官房長官(読売新聞) - goo ニュース
 ネット上では、大飯原原発の再稼働問題について、強行に反対する意見が散見されます。 大阪市なども反対運動の先頭に立っているようですが、反脱原発は、死亡する確率の高い心臓部の手術のようなものなのではないかと思うのです。

 電力は、人体に譬えれば血液のようなものであり、電力供給事業は、経済や国民生活を支える心臓部に当たります。突然に降りかかった災害により、この供給機能の約3分の1に事故リスクがあることが判明したところ、ある人々は、このリスク部分の切除手術を、激しく要求するようになりました。リスク部分を全面的に取り除けば、その後は、事故リスクを怖れることなく、安心して生活できるようになると…。しかしながら、その一方で、最も安定して電力を供給してきた3分の1を切り取りますと、代替機能も正常に働くかどうか分からず、生命を維持できるか危うくなります。また、残りの3分の2の供給力の増強では、負担がかかり過ぎて、激しい体力消耗に見舞われます。この弱った体力では、国際競争を走ることも苦しくなり、途中で落後するかもしれません。つまり、事故リスクは排除できても、さらに高いリスクを背負い込む可能性が高いのです。

 事故リスクの低減は、摘出以外の方法でも可能です。果たして、日本国は、この死亡確率の高い切除手術を受けるべきなのでしょうか。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

 

 
コメント (68)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする