万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮の無駄な努力

2012年04月19日 15時34分20秒 | 国際政治
正恩氏、新設「ならず者」枠で「世界の百人」に(読売新聞) - goo ニュース
 NHKのニュースでは、最近、定番化したかのように、北朝鮮の現状を伝える映像を流しています。あたかも、平壌放送の支部のようで不気味でもあり、宣伝映像を無批判に流しているNHKの見識を疑うのですが、北朝鮮の体制維持にかける狂気と異常性だけは、視聴者に伝わってきます。

 先日のミサイル実験失敗後も、北朝鮮は、先軍政治の路線を改めようとはせず、自国の独立と主権を守るために、今後も、軍備拡充に邁進すると宣言しています。しかしながら、北朝鮮の経済力を考えますと、それは、無駄な努力というものなのではないかと思うのです。国民が飢餓に苦しんでいるにも拘わらず、一連の祝賀行事やミサイル実験には、数百億円の経費を費やしたとも指摘されております。北朝鮮は、自国を守るものは、軍事力しかないと信じていますが、北朝鮮が、アメリカや中国といった諸国に対抗し得る軍事力を備えるには、現在の数十倍、数百倍、あるいは、数千倍の軍事費を要します。軍事大国化を実現しようとしても、それを支える財源も技術力もないのですから、強行にこの路線を推し進めますと、国民をさらに苦しめることになります。もちろん、無慈悲な”ならず者”の独裁者は、それでも構わないのでしょうが…。

 どの国も、自国の防衛のために軍事力を備えるものですが、その一方で、各国を守っているのは、国際社会における”法”というものです。国際法を守っている限り、他国から一方的に攻撃を受ける可能性は、著しく低下するのです(100%ではありませんが…)。ところが、北朝鮮は、”法を守ることが、自らをも守ることである”という道理を理解していません。”ならず者”と呼ばれる所以は、法を知らない野蛮な世界の住民であることを、北朝鮮が、自らの行動で示しているからでもあります。果たして北朝鮮は、更生するのでしょうか。

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コメント (2)
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