万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

小沢氏無罪―政治資金規正法が悪法なのでは

2012年04月26日 15時26分11秒 | 日本政治
小沢元代表に無罪=秘書との共謀否定―「報告、了承」は認める・東京地裁(時事通信) - goo ニュース
 本日、第一審で小沢氏は、無罪判決を受けたそうです。本人や小沢チルドレン達は、ほっと胸をなでおろしたのかもしれませんが、国民の多くは、どこか釈然としない感情が残ったのではないでしょうか。

 無罪判決によって、小沢氏は、あたかも潔白であったかのように振舞っています。しかしながら、その行為は、明白に”現在”の政治資金規正法に違反していることは、忘れられてしまっているようです。政治資金規正法では、平成19年に改正され、かつ、罰則規定が設けられていないものの、第19条の2の2で”資金管理団体は、土地若しくは建物の所有権又は建物の所有を目的とする地上権若しくは土地の賃借権を取得し、又は保有してはならない。”と明記されているのです。問題の土地取得は、この改正以前であったとして、遡及効を認めないとする意見もありますが、法が改正された以上、資金管理団体が、土地を保有した状態であることは違法行為である可能性は高く、虚偽記載で争うよりも、検察は、この条文を根拠に起訴すべきではなかったのかと思うのです(今からでも遅くはない?)。購入した土地は、既に売却済みなのでしょうか、また、小沢氏個人の名義であれば、許されるのでしょうか?政治家の不動産購入が問題視され、曲がりなりにも法改正されたぐらいですから、小沢氏の行為は、政治倫理には反しています。

 政治家個人が、資金管理団体を介して不動産売買ができるとしますと、小沢氏に正義があるのではなく、政治資金規正法が、悪法なのではないでしょうか。これを機に、政治資金のあり方を抜本的に議論すべきですし、法の抜け穴を塞ぐためにも、政治資金規正法の改正こそ、急ぐべきと思うのです。

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コメント (11)
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