本日の日経新聞朝刊の一面には、思わず深いため息をついてしまう記事が掲載されておりました。それは、中国の清華大学が、日本国の東京大学が設立したスタートアップ支援会社に対して650億もの巨額投資を行うというものです。この記事が事実であれば、日本国にとりましては、近い将来、まことに忌々しき問題が生じることになりそうです。
清華大学の巨額投資先となる東京大学協創プラットフォーム開発株式会社とは、東大が100%出資して設立したVC(ベンチャーキャピタル)です。同社設立時にあって、東大が230億円を拠出しており、その原資は、平成24年度(2012年度)予算として政府が東京大に交付した417億円なそうです。一方の清華大学側も、VCとしてTSUホールディングスを設立しており、同社が提携先となります。東大側の拠出額である230億と比較しますと、清華大学の出資額の高さには驚かされます。およそ東大の3倍なのですから。そして、精華大学もまた国立大学ですので、拠出される650億円にも中国政府の予算が注ぎ込まれていることでしょう。
それでは、精華大学による巨額投資の行く末には、どのような事態が予測されるのでしょうか。東京大学協創プラットフォーム開発の資本金9000万円は東大の100%出資ですので、清華大学から650億円の投資を受けても運営権は東大側が握っているように見えます。しかしながら、650億円を拠出しながら、清華大学、否、中国政府が‘何らの見返りをも要求しない’ということは過去の事例に照らしてもあり得ません。外貨準備が減少傾向にある中、中国が650億円もの出資を決定した背景には(人民元で拠出?)、中国に有利となる何らかの計算があるとしか考えられないのです。TSUホールディングスは、11月末に東京大学協創プラットフォーム開発に事務所を開設しておりますので、NHK社屋内の中国電子台の如く、既に内部化している様子も窺えるのです。
中国側の第1の利益は、融資先のベンチャービジネスが成功を収めた場合に期待できる一定のリターンです。経済的な利益は最もドライな関係として理解できるものの、それでも、融資収益は一般的に拠出額に比例して配分されますので、東大と清華大学との間で1:3の割合で分けられることとなります。つまり、同社の利益の4分の3は中国側に流れ、日本初の技術や技術革新であっても、中国側がより多くの果実を得る結果となるのです。その一方で、融資に失敗して損失が生じた場合、東大側は、清華大学に対してそれを甘受するよう求めることができるのでしょうか…。もしかしますと、一帯一路構想で露見しているように、借金の形に虎の子の知的財産権を要求される可能性も否定はできません。
第2の中国側の利益とは、技術力の入手です。同記事に依りますと、東大と清華大学との協力は、投資関係に留まらず、日中スタートアップの共同研究や人材交流をも促すとされています。知的財産権の問題でアメリカから厳しい要求を突き付けられており、中国のシリコンバレーとも称された深セン等にて先端技術の自力開発に取り組みつつも、技術の調達先としてアメリカには最早期待できない状況にあります。昨今の習政権による急速な対日接近も、その背景として対米関係の悪化が指摘されていますが、日本国の技術開発力を合法的に利用すれば、自国の弱点をカバーできます。しかも、日本国の先端技術の開発現場でもある東大とビジネスを結ぶルートを押さえてしまえば、日本国の技術力をもコントロールすることができます(中国の脅威となる起業には支援しない…)。
第3に挙げられる中国側の利益は、中国系巨大企業による日本国のスタートアップ企業の‘青田買い’です。中国では、現在、膨大な数の起業数を誇るものの、廃業もまた多く、かつ、極稀に成功した企業であっても、国営企業や巨大企業に買収され、姿を消しています。日中協力の枠組みにおいて清華大学から融資を受けた形で設立される東大関連のスタートアップ企業も、中国系企業にとりましては有望、かつ、株式入手の容易な買収物件となりましょう。
以上に中国側の主要なメリットを述べてきましたが、これは、逆から見ればそのまま日本国側のデメリットとなります。‘起業支援’とは名ばかりで、その実態は、日本国から中国への先端技術の合法的な流出経路が設けられたのであり、日本国側としては、将来的に、中国経済に飲み込まれる可能性が高まったことを意味します。東京大学協創開発は、当初、民間企業との連携を構想していたようですが、今になりまして、何故、よりによりまして中国の国立大学と組むに至ったのでしょうか。しかも、相手国は、習近平独裁体制が敷かれている共産主義国家です。これは、日本国政府の意向を受けた決定なのでしょうか。報道によりますと、日本国の民間企業は、巨額の内部留保を貯めこんでいるそうですが、何故、その資金を自国の大学における起業支援に投資しないのでしょうか。日本国の東大生は、イノベーションに繋がるような画期的な技術の開発に真剣に取り組んでも、その成果が中国に流れるとなれば、研究意欲は著しく低下することでしょう。入管法や水道法の改正を含め、このままでは、かつて李鵬首脳が‘予言’したように日本国はやがて消えてしまうのではないかと不安になるのです。
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清華大学の巨額投資先となる東京大学協創プラットフォーム開発株式会社とは、東大が100%出資して設立したVC(ベンチャーキャピタル)です。同社設立時にあって、東大が230億円を拠出しており、その原資は、平成24年度(2012年度)予算として政府が東京大に交付した417億円なそうです。一方の清華大学側も、VCとしてTSUホールディングスを設立しており、同社が提携先となります。東大側の拠出額である230億と比較しますと、清華大学の出資額の高さには驚かされます。およそ東大の3倍なのですから。そして、精華大学もまた国立大学ですので、拠出される650億円にも中国政府の予算が注ぎ込まれていることでしょう。
それでは、精華大学による巨額投資の行く末には、どのような事態が予測されるのでしょうか。東京大学協創プラットフォーム開発の資本金9000万円は東大の100%出資ですので、清華大学から650億円の投資を受けても運営権は東大側が握っているように見えます。しかしながら、650億円を拠出しながら、清華大学、否、中国政府が‘何らの見返りをも要求しない’ということは過去の事例に照らしてもあり得ません。外貨準備が減少傾向にある中、中国が650億円もの出資を決定した背景には(人民元で拠出?)、中国に有利となる何らかの計算があるとしか考えられないのです。TSUホールディングスは、11月末に東京大学協創プラットフォーム開発に事務所を開設しておりますので、NHK社屋内の中国電子台の如く、既に内部化している様子も窺えるのです。
中国側の第1の利益は、融資先のベンチャービジネスが成功を収めた場合に期待できる一定のリターンです。経済的な利益は最もドライな関係として理解できるものの、それでも、融資収益は一般的に拠出額に比例して配分されますので、東大と清華大学との間で1:3の割合で分けられることとなります。つまり、同社の利益の4分の3は中国側に流れ、日本初の技術や技術革新であっても、中国側がより多くの果実を得る結果となるのです。その一方で、融資に失敗して損失が生じた場合、東大側は、清華大学に対してそれを甘受するよう求めることができるのでしょうか…。もしかしますと、一帯一路構想で露見しているように、借金の形に虎の子の知的財産権を要求される可能性も否定はできません。
第2の中国側の利益とは、技術力の入手です。同記事に依りますと、東大と清華大学との協力は、投資関係に留まらず、日中スタートアップの共同研究や人材交流をも促すとされています。知的財産権の問題でアメリカから厳しい要求を突き付けられており、中国のシリコンバレーとも称された深セン等にて先端技術の自力開発に取り組みつつも、技術の調達先としてアメリカには最早期待できない状況にあります。昨今の習政権による急速な対日接近も、その背景として対米関係の悪化が指摘されていますが、日本国の技術開発力を合法的に利用すれば、自国の弱点をカバーできます。しかも、日本国の先端技術の開発現場でもある東大とビジネスを結ぶルートを押さえてしまえば、日本国の技術力をもコントロールすることができます(中国の脅威となる起業には支援しない…)。
第3に挙げられる中国側の利益は、中国系巨大企業による日本国のスタートアップ企業の‘青田買い’です。中国では、現在、膨大な数の起業数を誇るものの、廃業もまた多く、かつ、極稀に成功した企業であっても、国営企業や巨大企業に買収され、姿を消しています。日中協力の枠組みにおいて清華大学から融資を受けた形で設立される東大関連のスタートアップ企業も、中国系企業にとりましては有望、かつ、株式入手の容易な買収物件となりましょう。
以上に中国側の主要なメリットを述べてきましたが、これは、逆から見ればそのまま日本国側のデメリットとなります。‘起業支援’とは名ばかりで、その実態は、日本国から中国への先端技術の合法的な流出経路が設けられたのであり、日本国側としては、将来的に、中国経済に飲み込まれる可能性が高まったことを意味します。東京大学協創開発は、当初、民間企業との連携を構想していたようですが、今になりまして、何故、よりによりまして中国の国立大学と組むに至ったのでしょうか。しかも、相手国は、習近平独裁体制が敷かれている共産主義国家です。これは、日本国政府の意向を受けた決定なのでしょうか。報道によりますと、日本国の民間企業は、巨額の内部留保を貯めこんでいるそうですが、何故、その資金を自国の大学における起業支援に投資しないのでしょうか。日本国の東大生は、イノベーションに繋がるような画期的な技術の開発に真剣に取り組んでも、その成果が中国に流れるとなれば、研究意欲は著しく低下することでしょう。入管法や水道法の改正を含め、このままでは、かつて李鵬首脳が‘予言’したように日本国はやがて消えてしまうのではないかと不安になるのです。
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