本日の報道に依りますと、イスラエルは、パレスチナのガザ地区にある病院を空爆し、五百人以上ともされる人々が犠牲となったそうです。病院空爆は非人道的な違法行為なのですが(ジュネーブ条約違反・・・)、地上侵攻をはじめ予測される国際的な批判をものともせずに攻撃をエスカレートさせようとする様子からしますと、イスラエルは、やはり戦争を欲しているのでしょう。
イスラエルの常軌を逸した強硬な攻撃姿勢は、今般のイスラエル・ハマス戦争の実像が、イスラエル及びそれをサポートする世界権力によるガザ地区の占領・併合、並びに、世界大戦への拡大を狙ったシナリオである疑いをより一層強めます。常識的かつ合理的に考えれば、ガザ地区に対する徹底した攻撃が、イスラエルに対する国際的な支持を失わせる結果を招くことは、容易に予測できるはずです。イスラエルは、如何なる非人道的な手段を用いてでも、自らの野望を実現しようとする確信犯のように見えるのです。なお、イスラエル空軍は同空爆を否定し、ロケット弾はガザ地区から発射されたとも述べており、これが事実であれば、イスラエルとハマスとの水面下での協力、あるいは、ガザ地区内のパレスチナ人を装った工作員の存在を疑わせます(もっとも、イスラエル側は、ハマスと共闘している過激派武装組織「イスラム聖戦」の仕業と主張しているものの、双方を扇動して戦争を激化・拡大させたい世界権力党の勢力による工作かもしれない・・・)。
それでは、イスラエル・ハマス戦争の巻き添えになりかねない人類は、同事態にどのように対応したらよいのでしょうか。仮に、イスラエルがあくまでも自らの戦争計画を貫こうとするならば、同シナリオの進行を止めるには、両者を同時に孤立化させる必要がありましょう。そのためには、イスラエルによるガザ地区並びにその住民に対する攻撃の根拠を失わせること、並びに、戦争の連鎖経路を断つ方法を見つけ出さなければならないのです。
昨日の記事で述べましたように、イスラエルが宣戦布告を行なったのは、ガザ地区を実効支配しているとはいえ、一武装政党に過ぎないハマスであったことから、先ずもってハマスの法的な存立基盤を失わせ、解散させてしまうという方法があります。このためには、パレスチナ国家の政府が対応を急ぐ必要がありましょう。例えば、ハマスに対して合法的な政党あるいは政治団体としての認定を取り消し、同党を非合法化するといった方法があります。もっとも、パレスチナ政府にあってはファタハがかろうじて政権を維持しているものの、議会の多数党はハマスですので、現状では、ハマスを非合法化する法案が成立する可能性は低いと言わざるを得ません。
このハードルを乗り越えるために議会を解散して総選挙を実施するという道もあるのですが、攻め急ぐイスラエルの姿勢からしますと、選挙を実施するだけの時間的な猶予に乏しく、ここはパレスチナ政府が対応すべきかもしれません。人質の奪取を含めたハマスによるテロ行為、あるいは、独断によるイスラエル攻撃という行為は、パレスチナ国家の国権侵害でもありますので、パレスチナ国家の政府として同党の解散命令等を発することはできるはずです。また、パレスチナ警察が、国内の警察法に基づいてハマスを犯罪組織として取り締まるという方法もありましょう。何れにしましても、ハマスという存在がなくなれば、イスラエルは、振り上げた拳を下ろす相手を失うのです。
その一方で、パレスチナ国民も、でき得る限りハマスと距離を置き、同党から離れるべきと言えましょう。今般の惨事を招いたのは、ハマスによるイスラエルに対する奇襲にありますし、しかもハマスには、イスラエルと内通している偽旗団体の疑いがあります。偽旗団体ではないとしても、イスラエルの挑発の罠にかかるのは、パレスチナ国民を命の危機に晒す軍事的・政治的な重大なる判断ミスです。一般国民からのハマス批判の声が高まれば、ハマスは、パレスチナ国内にあって急速に支持基盤を失い、弱体化してゆくことでしょう。このことは、ハマスの戦闘能力の喪失を意味します。
ハマスが法的な基盤、並びに、政治団体としての組織力を失えば、同戦争は、自ずと終息に向かうことでしょう。ただし、国際社会を見ますと、イスラエルの後ろ盾でもあり、世界大にユダヤ系ネットワークを張り巡らしている世界権力は、アメリカをはじめ世界各国の政府に対して、絶大なる支配的な影響力を及ぼしています。この点を考慮しますと、連鎖的な戦争拡大経路の遮断を同時に進める必要がありましょう(つづく)。