昨日、日韓請求権協定について韓国の憲法裁判所が示した脚下の理由は、あくまでも”審査の対象外”というものであり、当協定締結を合憲と認めたわけではありませんでした。つまり、将来において、”違憲”となる含みを持たせているのです。
マスメディアの反応を見ますと、大方のところ、今後、韓国国内で違憲判決が下された場合には、日韓請求権問題は再交渉となると予測しているようです。しかしながら、通常、戦後処理に関する国家間の交渉や協定では、政府のみならず、個人の請求権問題も扱われますので、徴用工や慰安婦問題も含めて、韓国で起きている訴訟は国際法の慣例から逸脱しています。況してや、日韓の間では戦争状態は存在していませんので、両国間の請求権交渉は、本来、対等な立場で行われるべきものです。にも拘わらず、韓国の裁判所が日韓請求権協定を違憲とし、その判決が韓国政府を拘束する場合、一体、どのような事態が生じるのでしょうか。協定の解釈問題を越えて、協定そのものの効力が問われるとなりますと、協定破棄も視野に入ってきます。違憲を理由とした条約破棄について国際法を見てみますと、「条約法に関するウィーン条約」の第46条には、「いずれの国も、条約に拘束されたことについての同意が条約を締結する権能に関する国内法の規定に違反して表明されたという事実を、当該同意を無効にする根拠として援用することができない」とあります。ですから、原則として、国内法を以って条約を無効とすることはできないのです。もっとも、特別な場合として、「ただし、違反が明白でありかつ基本的な重要性を有する国内法の規則に関わるものである場合は、この限りではない」とする記述が続きます。この場合でも、1965年の協定締結当時、韓国政府は、自国の正式な批准手続きを経て当協定を締結し、また、今般の憲法裁判所でも、明白な違憲判決とはならなかったのですから、無効を主張する要件は満たしていないはずです。また、韓国が、日本国の同意なく、一方的に条約破棄の通告をした場合にも、日本国政府は、異議を唱えることができます。そして、この問題は、当事国に対して、国連憲章第33条に列記された平和的解決手段によって解決することが義務付けられているのです。
もっとも、韓国側から協定破棄の打診を受けた場合、日本国政府が、破棄に応じる可能性もないわけではありません。何故ならば、当協定は、日本国側にとりまして極めて不利であったからです。当協定が破棄されると同時に、日本国政府、並びに、国民共に、当協定で補償なくして”解決”された対韓請求権が復活し、本来の請求額より大幅に水増しされて支払われた経済協力資金の返還を求めることができるのです。韓国側は、当協定を対日要求の格好の材料と見なしていますが、史実を正確に知れば、自らの姿勢を改めざるを得なくなるのではないかと思うのです。
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マスメディアの反応を見ますと、大方のところ、今後、韓国国内で違憲判決が下された場合には、日韓請求権問題は再交渉となると予測しているようです。しかしながら、通常、戦後処理に関する国家間の交渉や協定では、政府のみならず、個人の請求権問題も扱われますので、徴用工や慰安婦問題も含めて、韓国で起きている訴訟は国際法の慣例から逸脱しています。況してや、日韓の間では戦争状態は存在していませんので、両国間の請求権交渉は、本来、対等な立場で行われるべきものです。にも拘わらず、韓国の裁判所が日韓請求権協定を違憲とし、その判決が韓国政府を拘束する場合、一体、どのような事態が生じるのでしょうか。協定の解釈問題を越えて、協定そのものの効力が問われるとなりますと、協定破棄も視野に入ってきます。違憲を理由とした条約破棄について国際法を見てみますと、「条約法に関するウィーン条約」の第46条には、「いずれの国も、条約に拘束されたことについての同意が条約を締結する権能に関する国内法の規定に違反して表明されたという事実を、当該同意を無効にする根拠として援用することができない」とあります。ですから、原則として、国内法を以って条約を無効とすることはできないのです。もっとも、特別な場合として、「ただし、違反が明白でありかつ基本的な重要性を有する国内法の規則に関わるものである場合は、この限りではない」とする記述が続きます。この場合でも、1965年の協定締結当時、韓国政府は、自国の正式な批准手続きを経て当協定を締結し、また、今般の憲法裁判所でも、明白な違憲判決とはならなかったのですから、無効を主張する要件は満たしていないはずです。また、韓国が、日本国の同意なく、一方的に条約破棄の通告をした場合にも、日本国政府は、異議を唱えることができます。そして、この問題は、当事国に対して、国連憲章第33条に列記された平和的解決手段によって解決することが義務付けられているのです。
もっとも、韓国側から協定破棄の打診を受けた場合、日本国政府が、破棄に応じる可能性もないわけではありません。何故ならば、当協定は、日本国側にとりまして極めて不利であったからです。当協定が破棄されると同時に、日本国政府、並びに、国民共に、当協定で補償なくして”解決”された対韓請求権が復活し、本来の請求額より大幅に水増しされて支払われた経済協力資金の返還を求めることができるのです。韓国側は、当協定を対日要求の格好の材料と見なしていますが、史実を正確に知れば、自らの姿勢を改めざるを得なくなるのではないかと思うのです。
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日本政府はこんなことばかり、神経を逆なでされるような気持ちです。
またこの文を私のブログに転載させてください。
次の新しいエントリもいっしょに転載させていただき、
倉西雅子さまの歯に衣をきせぬビシッとしたお考えを
ご紹介したいと存じます。
とても勉強になり、読んでいて「そうだ、そうだ!」って
叫ぶ思いです。
今回の事件は、日本国政府、並びに、日本国民が、日韓交渉の経緯について再確認するよい機会ともなるのではないかとと考えております。事実をしっかりと把握した上でしか、如何なる物事も、正しく解決されないのではないかと思うのです。