万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

台湾は中国の‘固有の領土’に非ず-日本国とオランダが証明できる

2019年03月22日 14時48分35秒 | 国際政治
年頭の談話において、中国の習近平国家主席が台湾を併呑すべく武力行使をも辞さぬ意欲を示したことで、目下、台湾海峡は、波静かながら軍事的な緊張状態にあります。台湾について、中国は‘昔から中国大陸の不可分の領土’と主張し、争う余地のない‘固有の領土’と見なしています。台湾は、海峡を隔てて中国の隣に位置していますので、この主張を鵜呑みにする人も多いのですが、歴史を辿りますと、台湾が中国の固有の領土ではないことは明白です。

 国際社会では、一国のみの主観的な主張のみに基づいて領有権が認められることはありません。領有の正当性が法的に認められるには客観的な証拠が必要なのですが、台湾の歴史は、逆に、同島が中国の領土に含まれていなかったことを示しています。そして、この領土外である証拠を握っているのは、日本国、並びに、オランダなのではないかと思うのです。

 最近、永積昭氏の『オランダ東インド会社』(講談社、2000年)を読み返して気が付いたのですが、同書には、16世紀から17世紀にかけての台湾をめぐる日本国とオランダの興味深い動きが記されています。‘タイワン’は先住民がつけた呼称であることに加えて(中国由来ではない…)、特に注目すべきは、オランダが台湾を拠点として領有するに至る経緯です。

まず、「…一六二二年に司令官コルネリス・レイエルセンの率いる艦隊がマカオを攻撃したが、成功しなかった。そこでかねてから目をつけていた台湾島西方の澎湖島に行き、ここで要塞を築いたが、中国の福州の当局はこれを中国の領土として譲らなかったため…(一一八頁)」とあります。この一文から、中国が自国領として認識していたのは、澎湖諸島までであったことが分かります(その澎湖島も元の時代に巡検司が置かれたが、明時代の1388年には廃止されている…)。次いで、1624年に同要塞を引き上げて台湾西岸の安平地方に移ったとする記述が続き、「なるほど、澎湖島とは事情が違うので、中国もゼーランディアの要塞構築には文句は言わなかったが…(一一九頁)」とあり、台湾本島については、中国が領有権を主張していなかった事実を記しているのです。

 上記の記述はオランダで保存・管理されている東インド会社関連の史料(植民地文書)に基づくのでしょうが、明の時代における中国の領土意識を窺うことができます。また、当時、日本人商人が活発に朱印貿易を行っていた日本国と、中国船から生糸等を買い付ける出会い貿易の場であった台湾との間には、独自の関係を見出すことができます。1593年には、豊臣秀吉が台湾の高砂族の国である「高山国」の朝貢を求めていますし、幻に終わったものの、1627年にはゼーランティアにおいてオランダ側の非協力的な態度に憤慨した日本商人が、あまり誉められた計画ではないものの、日本国に連れ帰った高砂族の16人に将軍の御前で「台湾全島を日本に差し上げる」と言わせる計画もあったそうです(一二〇~一二一頁)。なお、高砂族や「高山国」の実態については詳細な調査・研究を要しましょうが、少なくとも、台湾の先住民はマレー・ポリネシア系であり漢民族ではないのです。

 何れにいたしましても、日蘭両国は、証拠を以って歴史的に台湾が‘中国大陸の不可分の領土’ではなかったことを証明することができます。中国は、‘一国二制度’と言う甘言を以って平和裏に台湾を併合するシナリオをも温めているようですが、同制度の行方は民主主義が消滅の危機に瀕する香港の現状を見れば明らかです。中国には、台湾領有の正当な根拠に欠けているのですから、如何なる手段であれ中国が台湾併合を実行に移そうとする際には、日蘭を含む国際社会は、正当性の欠如を根拠としてその企てを阻止すべきではないかと思うのです。

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4 コメント

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閉ざされたフェイクニュース空間 (RyuU)
2019-03-22 16:32:40
この投稿は承認OKです。
.
まず、最初に、3月20日に電撃的に米朝合意か!と予想しましたが、
大きく外しました。お詫び致します。
これがプロの予想だったら、大変な恥をかくところでした。
私は情報提供のプロでもなく、いまだどこかの工作員でもなく、
単なるシロートの「インテリジェンス研究家」ですので、
「Q情報でのカウントダウン」を「米朝合意のことではないのか?」
と早合点してしまいました。
再度、お詫び致します。
.
どうやら、実際は、「機密情報公開」特に、
あの、ジェームズ・コミー 第7代 FBI長官
の逮捕にまで行く話かもしれません。
カウントダウンが「0」になって遅延していますが、
遅延するほど、公開されたときの爆発力も上がって行くとのことです。
.
.
>Gooブログですと、ブログ主であっても、公開せずにいただいたコメントを事前に読む、ということができない仕組みとなっております。
>このため、数分間であれ承認せねばならず、一時的にコメント内容が公開状態となります。
.
了解しました。随分、クソなシステムですね。
私が以前使ったブログは、事前に自分で閲覧・編集・承認・削除できましたので、
「Gooブログのそのシステム」には、正直、驚愕しました。(笑)
.
了解しましたので、
差し障りのない公開情報の形の範囲内で
再度、情報提供致します。

本日の倉西様の記事関連で言えば、
「ワンチャイナ・ポリシー」の言葉の定義が
米国側の本来のそれと、チャイナ側のそれとでは、
「意味のすりかえ」がなされておりますね。
日本のマスコミでは、そこをしっかり指摘して言わないので、
さすが「閉ざされたフェイクニュース空間」です。
.
さて、そんな「閉鎖フェイク洗脳空間」を打破するには?
.
まず、次のブログの常時チェックをお勧めします。
「目覚めの扉」ブログ
(オーストラリアの日本人2人がお届けするQ情報)
NZの銃乱射事件の2日後である3月17日のQの投稿です。
このページの後半部分です。
◆  偽旗作戦 と ジョンポデスタのNZ訪問 ◆
https://ameblo.jp/doorforawakening/entry-12448202975.html
.
というわけで、
50人を殺した男、米国ディープステートに操られていたようです。
白人至上主義者は、このように過激になる、トランプ派はダメだ、
という「反トランプ・プロパガンダ」のために、
50人も殺させた。
ディープステート側が、イスラム教徒などの移民を
米国にどんどん流入させているのに、
そのイスラム教徒たちをディープステート側が、
「反トランプ・プロパガンダ」のために
虫けらのように殺す工作をする。
本当に、彼らは悪魔礼拝者たちです。
.
・・・・
その他、
タイムリーな発言が、原田氏から出ております。
.
目の前で始まった「運命の1週間」。何が動いているのかを知る。
(原田武夫の道中辻斬り Vol. 48)
https://www.youtube.com/watch?v=V4fNdT1Urlg
.
■原田氏の今回の動画の拾い書きメモ・・・・・
.
世の中は、この5階層でできている。
.
1)根源的な階層(富の集中・巨大資本・オーナー)
2)番頭格
3)マネージャー(支配人)
4)労働者
5)それ以外の人々
.
上のレベルで空中戦・・・・戦い。
.
わが国の本当の権力の中心・・・それが「皇室」
象徴天皇制?wwwそんなもの、あなた信じてんのか?
そもそも「憲法の枠外」に「根源的な階層者」たちがいる。
「簿外資産」=古代からの元々の所有物
真の天皇家の簿外資産が、
世界的に極めて重要な役割を持っている。
.
マーケットは上からですよ。
.
華僑・華人ネットワークのハイレベルが動く。
新元号になって・・・・。
ゴールデンウィーク明けに・・・。
.
世界で一番信用されているのは、日本、
ゆえに、長期的には、どうしたって「円買い」という方向性。
.
そして、長期的、最終的には、
「パックス・ジャポニカ」になる。
.
・・以上が、上記動画の聞き書きメモです・・・・・・
.
原田武夫さんは、世界の上層階級の「とある人」とコンタクトがある
と述べています。
外交官時代、朝鮮半島専門だった関係で、そうした人脈がある。
まあ、そんなわけで、
「ある程度は、はずれていない情報」を出してくれます。
なので、注目しておいて下さい。
.
しかし、注意点もある。
原田さんは、
「東京オリンピックは開催されない」と予言しています。
なぜか?
ハイレベル階層の人がそう言っているから、と。
.
私の洞察では、その声(情報源)は、
ディープステート側の「番頭格」の人だと思う。
つまり、ディープステート側からすると、
東京オリンピックで、最初の東京オリンピックからの高度経済成長と同様、
新元号での「ストロングジャパン」再興戦略が、うまく行かれては困る。
なので、潰したい。
たぶん、そういうことではないか?
.
その他、原田氏の言葉に補足するならば・・・
「上のレベルで空中戦」
.
これは、
米国での「チームQ」とディープステートとの激闘も関係しています。
.
ディープステート側である米国マスコミは、ヒラリーの大統領戦勝利を
伝えていた。日本のマスコミもそうです。
しかし、実際は、トランプが勝利した。
これを「米国史上初の無血革命だ」と感慨深く評したのが、
スタンフォード大学フーバー研究所の西鋭夫教授です。
『月刊日本』2016年12月号に掲載された西鋭夫教授の論考
「米史上初の『無血革命』」
https://direct-connect.jp/Pride&History/西鋭夫/米史上初の「無血革命」-67
.
しかし、日本は「閉ざされた言語空間」というか
「閉ざされたフェイクニュース空間」で、飼い慣らされている。
戦後、米国ディープステート側の工作機関が、
日本の「マスコミ情報ピラミッド」の頂点をしっかりにぎって
コントロールして来たからです。
.
だから、米国での「トランプの激闘」が報じられません。
.
そこで、トランプ側が対抗してやったのが、
これです。「Q」ムーブメントです。
チームQによる
「闇の深層国家」打倒計画の表明
Q - The Plan To Save The World
https://www.youtube.com/watch?v=3vw9N96E-aQ
.
↑この動画、字幕オンにして日本語にすれば、字幕出ます。
この動画の視聴も必須です。
.
この動画は正しい、真実です。
.
北朝鮮の金一族はC●●による人質支配から
解放された・・・このように解説されていますね。
ここが大事。
.
北朝鮮は、イルミナティーの支配から、既に脱しています。
また、トランプ政権は、悪のイルミナティーと戦う政権です。
米国のディープステート(深層国家)が悪のイルミナティーです。
.
.
「チームQ」は
「闇の深層国家」の面々と情報戦を繰り広げるため
{Q情報拡散プログラム}
をスタートさせた
それが{The Great Awakening}
という「草の根運動」です。
.
悪魔礼拝者「闇の深層国家」の巨悪に
異議を申し立てて、巨悪の手から人々と国々を解放する
善なる戦いに挑み、そして散って行った
勇敢な愛国者たちのためにも
心ある者は立ち上がり、
そして、我々は勝利しなければならない。
どうか、神の支援と祝福がありますように。
.
このように、「チームQ」は、いつも仕事前に祈祷しています。
これは、「地上の悪の巨大組織(秘密結社)」との「壮大な戦い」です。
ヨハネの黙示録に書かれているような「善と悪との巨大な戦い」なのです。
.
もし、トランプ側が勝利すると、どうなるか?
ウィーク・ジャパン(日本弱体化)政策を実行して来たのは、
ディープステート側ですから、これが倒れることで、
「マスコミ情報ピラミッド」の情報操作の「ハンドル」も撤去され、
「フェイク・ニュース空間」としてのマスコミ=マスゴミが、
「真の愛国者の手に取り戻される」流れになります。
.
そして、トランプ政権は
「日本独立容認、ストロング・ジャパン政策」に舵を切ろうとしているので、
日本の核武装すら、容認する方向性です。
.
なので、
御代替わりは、「日本独立への号砲」です。
平成天皇が全部の諜報情報を知って、
ご自分の意思で「今だ」とご譲位なさっているので、
このタイミングなのです。
.
なので、
明治維新と同じ、強い天皇家が出現する。
新元号での「●●維新」が始まる!
「積弊清算」です。
.
そうなると、
「世界天皇」としての日本が出現し、
世界を照らすようになる?
.
国際金融資本家が、民間運営としての中央銀行を世界各国に設立し、
あと、7~9ヶ国で、地球全土の国家を制覇・・・というところで、
「ちょっと、待った~!」
が、かかっている。
.
これまで、省エネのために、
世界王族連合は、
宮廷ユダヤ人に、ある程度、好きなようにやらせて来たが、
事、ここまで来ると、
貴公らに「世界の完全支配」まではやらせないよ、と。
.
そもそも、実権は、最初から、我々・世界王族連合の方にある
に決まっているであろうが!
この印籠が見えないのか、
無礼であろう、下がれおろう!
と。
.
つまり、
現今の世界情勢は、
「真のオーナーが実権を取り戻す!」
というフェーズに入っているのです。
.
ディープステート側をやっつけることは、
悪のイルミナティーをやっつける、ということです。
.
御代替わりこそ、新世界・新時代の幕開けの号砲なのです。
.
今回は、以上です。
返信する
RyuUさま (kuranishi masako)
2019-03-22 19:52:33
 ご返事をいただきまして、ありがとうございました。

 私といたしましては、正直なところを申し上げますと、RyuUさまからご紹介いただきました方々のご意見や世界観につきましては賛成しかねます。現実の世界では’上の方での空中戦’が演じられておいるのは、事実なのでしょう。しかしながら、この対立構図は、善対悪の構図できれいに描けるものではなく、ユダヤ系ディープ・ステートと世界王族連合のどちらが勝利を収めたと致しましても、人類にとりましては、幸せなことではないように思います。否、我が国の皇室を含め、世界の王室の現状を見ましても落胆させられますように、世界王族連合、あるいは、世界天皇が善なる存在であるとは思えず、むしろ、血脈としてはユダヤ系に取り換えられているのではないでしょうか。少なくとも、民主主義の観点がすっかり抜け落ちておりますし、皇室や王室がオーナーを主張すれば、国民の多くが反発することでしょう。この点からしますと、ディープ・ステート対世界王族連合の対立構図は、二頭作戦ではないかと疑わざるを得ないのです。どちらをとりましても過酷な支配が待っているのでは困りますので、人類は、民主主義、自由、法の支配等の価値に基づく別の未来を模索すべきなのではないかと考えております。
返信する
新世紀の皇道派の再興 (RyuU)
2019-03-22 22:18:25
倉西雅子様のお気持ちは、ある程度、推察できます。
私は勝手連的な自称・皇道派ですので、そこから一言意見しておきますね。
.
1.大学に奉職する関係で、左翼思想にかぶれている可能性。
.
2.天皇制廃止論者のお姉様(間違った過激な陰謀論者)の悪影響。
.
3.天皇の血筋がすり替えられ汚されたという陰謀論を誤信している誤謬。
(実際は、男系は、朝鮮にも、ユダヤにも、背乗りされてはいない。ちゃんと勉強して)
.
4.「神様志向型人類god (goddess)-minded human」を目指すのが理想と言いつつ、
実は、「野獣型人類 beast human」の最大の特徴であり最大の罪である「恩知らず」という「エゴの罠」に落ちていないか、の自己点検が欠けている可能性。「天が下しろしめす」体制を「人類の幸福とは思えない」と言ってしまう心の在り方。(戦後米国的教育の結果)
(古神道で言えば、「鏡」で自分の姿をよく点検するという行為を怠る過誤)
.
5.四恩の第一は「国王の恩」で、日本における天皇家が日本国民に対して、歴史上、その加護のため、安寧のため、どれほどのことをして来たか、について、知ろうとしない。
これを知れば、「恩に報いたい」という気持ちが自然に沸き起こるのが日本人の大和魂。
.
6.「神様志向型人類god (goddess)-minded human」であるならば、国王の恩に対して、自己犠牲を払っても、幾ばくかでも報いようとするでしょう。
それが皇道派の精神です。
.
7.倉西雅子様ご当人の記事「特攻隊員とSEALDs」2015/08/15
SEALDsの行動は、他者の命はどうでもよく、”自分の命が一番大事”という意味において、いかにも利己的で無責任な主張に映るのです(セウォル号の船長のよう…)。
人間社会には、様々な心情の人がおりますので、同類の思考を持つ一部の人々の偏った見解のみに基づいて全体像を描きますと、事実が著しく歪められてしまいます。
せめて自己犠牲の心を理解する人々は、国のそして国民のために尊い命を捧げられた方々に対して、感謝と哀悼の意を表し続けてゆかなければならないと思うのです。
 今日あるも 戦に逝きし 若人の わが身捨つる 覚悟ありてこそ
.
8.「皇道派の精神」が「神様志向型人類god (goddess)-minded human」と矛盾するということはありません。ただ、米国の覇道一神教からすると、天皇は不必要です。なので、米国流、マッカーサーが布教のために創った「ICU」の流れでの日本人洗脳の犠牲者とも言えるでしょう。ちゃんと、「教育勅語」と「本当の日本の歴史教育」で小学校から教育しなおせば、日本人たるもの、国王の恩に対して、自己犠牲を払っても、幾ばくかでも報いようとする心が育つ。
.
9.金正恩も、朝鮮半島統一のためには、「わが身捨つる覚悟あり」と、聞いております。
.
以上、こんなことを思いました。
別段、議論ふっかけているつもりではないので、スルーで結構です。
心の片隅に留めて頂ければ幸甚です。
返信する
RyuUさま (kuranishi masako)
2019-03-23 10:07:38
 ご返事をいただきまして、ありがとうございました。

 私のコメントがお気に触られたようでございましたならば、お詫び申し上げます。どうぞ、ご容赦くださいませ。なお、ご指摘くださいました諸点につきまして、誤解されておられる点を解くためにも、いくばかりか説明申し上げたいと思います。

1.左翼思想にかぶれているのではなく、私は、史実を尊重し、道理に適った人類の道を探求しております。世襲君主制の欠点を見据えた上で、同体制への回帰は望ましくないと考える次第です。

2.’過激な陰謀説’が間違っているかどうかは、今の時点では、誰も判断できないのではないでしょうか。RyuUさまも、この判断に必要となる全ての情報をお持ちではないはずです。ソ連邦の記録文書等が示すように、現実に陰謀は存在しておりますので、陰謀論の方が正しい可能性もあるのです。

3.血統問題は、天皇家のみならず、各国の王家にもございます。なお、勉強不足のための誤謬ではなく、内外の史料を調べてみました結果、自らの理性と良心に照らして、すり替え説を完全に否定はできなくなってしまったのです(不自然な点があまりにも多い…)。RyuUさまらみますと、’不敬’なのでしょうが、あくまでも事実に対して誠実である生き方を、私は選択しております。

4.野獣の支配の特徴を’恩知らず’あるいはエゴイストと定義されておりますが、まずもって、国民が天皇に対して、どのような点で恩を受けているのかを明確にする必要があるように思います。主君への恩義を尊ぶ武士道の精神は、天皇と国民の関係ではなく、主君と家臣との関係で培われてきたものです。古来、天皇は、国家祭祀の長であり、国家と国民の安寧を祈ることそ天皇の役割でした(祭政二元体制)。日本国の伝統的な精神性にあっては、最高祭祀である天皇を崇敬こそすれ、恩を感じよ、という発想には違和感を感じざるを得ません。また、皇族や王族方の不品行な振る舞いや堕落は、全知全能、かつ、無誤謬な神ではないことを示しております。また、思想的には、ヨーロッパの君主制は基本的には王権神授説であり、国王自身は神ではありません。

 なお、RyuUさまは、天皇親政や君主による統治を「天が下しめす体制」と解しておられるようですが、これは’天が治める’でではなく、’天下を治める’という意味ではないでしょうか(姉の研究に拠れば、天つ日嗣しろしめすでは…)。

5.6.RyuUさまは、日本国民の天皇に対する恩義とは、具体的にどのようにお考えなのでしょうか。明治以降とそれ以前とでは違うようにも思えますが、少なくとも古代にあっては、祭祀長である天皇が、国民の命を護るために、戦場で先陣を切って闘うということはなかったかと思います(せめて敵国懲服のための大元帥法…)。

7.8. 今日あるも 戦に逝きし 若人の わが身捨つる 覚悟ありてこそ は、国や国民のために自らの命を捧げた方々への思いを詠んでおります。天皇のため、というわけではないのです。今でも、私を含め、多くの国民は、日本国と国民のために、最後には自らを犠牲にする覚悟を抱いているのではないでしょうか。それは、国や共に生きる人々を護ろうとする愛情と社会の一員としての義務感からであって、天皇に対する恩義からではないはずです。

9.何故、ここで北朝鮮の金正恩氏が登場するのか、疑問なところです。もしかしますと、’恩’の一字に拘っておられたのは、RyuUさまが、同氏に忠誠を捧げている北朝鮮関係者であったからなのでしょうか。

 いただきましたコメントを拝読いたしまして、思うところを書いてみましたが、私に対する個人的な中傷よりも、心をより自由に、そして、柔軟にして、人類にとりまして真に望ましい未来とは何か、という点を考えて見るべきではないかと思います。私から見ますと、RyuUさまは、自らの心を檻に閉じ込めているように思えるのです。




 
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