幼い頃に母親に捨てられ、伯父に育てられた兄・夏彦と妹・かおり
それぞれの道をすすみながら、人生における大事なことをみつけていく物語。
やっぱり宮本輝さんの書く物語はスケールがおおきくて
おもしろいなぁと思う一冊。
登場人物にパワーがあって魅力的。
かおりはあんまり好きになれなかったけど、年上の女性のヒモのようなことを
していた夏彦が死とすれ違うことから変わっていくのがよかった。
読んでいて、ページに印をつけたくなるココロにひびく言葉もいくつかあった。
アフリカに畑や果樹園をつくるという壮大な夢を実現へと
つなげるきっかけともなる、物語の後半のキーになった
ペーパーナイフに刻まれていた言葉、
“私利私欲を憎め。私利私欲のための権力と、それを為さんとする者たちと闘え”
この言葉の意味を考えたとき、自分には遠いけど、
なんとなくキッカワに通じるなーと思った。
なんとなくね。