阪神淡路大震災の日から人生が大きく変わっていった36歳の希美子
愛人のもとにかけつけた夫と別れ、
不思議な縁で自分のものになってしまった
奥飛騨の広大な森と屋敷に息子と住むことになり、
そこでたくさんの人生にかかわり、自分の人生も再生してゆく。
阪神大震災のことをあらためて文章で読むと
恐ろしくて、本当によくここまで復興したなぁと思う。
あの頃自分は被害のことをどう感じていたんだろう。
そんな大事なことを忘れている自分に気付かされた。
宮本輝さんのお話は、人間力にあふれているなぁと思う。
そんで、わたしは宮本輝さんの書く女性はあんまり好きじゃない。
なんか優等生が多いんだもん。
このお話だったら、希美子のお父さん、まんぼちゃん、もと警官のゲンキさんが
魅力的。
いろんな人の人生がいっぱいでてきて、ちょっと分散しちゃうっていうか、
がーっつと引き込まれる感はあんまりなかったかな。