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第1話 スウェーデン物語 

  <スウェーデンの自然と文化>

  スウェーデンはスカンジナビア半島の東側にある。東西499㎞、南北1574㎞と南北に細長く、面積は44万9964㎞2で日本の約1.2倍の面積である。国土の北約7分の1は北極圏内にある。ヨーロッパで4番目に大きな国であるが、総人口は少なく約900万人程度である。日本の総人口は約1億27500万人であるので、約14分の1に過ぎない。国土の54%は森林であり、山地が16%、耕地が8%、湖沼(10万近く存在)と河川が9%を占める。その結果、人々は国土の32%の土地に住んでいる。人口の85%が、国土の南半分に住んでいる。
 
  気候は、メキシコ湾流のおかげで、同緯度のシベリアなどに比べ温暖である。首都ストックホルムはカムチャッカ半島の付け根とほぼ同緯度にあるが、7月の平均気温は17度、1月は平均マイナス3度で、降雪量もさほど多くはない。同じ南部であっても住んでいる地域によって気候は違うようである。

   キョトンCは、1998年8月から1年間、リンショピング大学に留学したが、リンショピング(Linköping)は、ストックホルム(Stockholm)とマルメ(Malmö)の中間点にあり、ストックホルムよりかなり南に位置するものの、冬場の気温は低く、降雪期間も長く感じた。湿度が低いために寒さは強く感じなかった(マイナス20度の日が3日間続いたぐらいで、後は気にならなかった)が、11月下旬から翌年の3月上旬まで長く曇天が続き、毎日雪が降るという状態には驚いた。この時期は、おまけに日の出が遅く日の入りが早いので日照時間が短い。そうした気象条件のため人によっては心理的に抑鬱状態になりかねないと思われる。
 
  逆に夏シーズンは、予想外に早く5月ぐらいから真夏のような暑さが続いた。長い冬を生き抜いた後、リンショピング大学のキャンパスのあちらこちらで、一刻も無駄にすまいと、太陽と対話している学生達の姿は微笑ましかった。かって(1970年代、80年代)スウェーデンでは、トップレスのまま公園で日光浴する人々が数多くいたそうであるが、最近では、スウェーデン第5の都市リンショピングにおいても、水着で日光浴する姿が散見される程度であり、トップレスはいない。
 
  ところで、スウェーデンは圧倒的に自然が豊かな国であるため、非常に個性的な慣習法がある。それは、アレマンスレッテン(Allemansrätten)と呼ばれるユニークな慣習法で、自然享受権、万民権、万有権とも訳される。この慣習法により、人々は、私的に所有された土地に許可なく立ち入り自由に歩くことができ、野のベリー、マッシュルーム、花などを摘むことが出来る。また特別の許可なく、一晩だけならばテントを私有地に張ることができる。しかし、ある種の珍らしい花は摘んではいけないし、土地の所有者、鳥、動物の邪魔にならないように気をつけなければならない。このアレマンスレッテンは、国民個々人の権利であって、商業的な目的や観光客には適用されない。

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