goo

第2話 スウェーデン物語

  <スウェーデンの生活文化の断面-ポルノと酒とタバコ->
 
  まず、ポルノについて述べたい。男女平等、男女同権の国ほど、性の商品化の傾向は弱いという仮説を、スウェーデンに留学する前には立てていた。しかし、スウェーデンでの生活を始めて暫くしてからこの仮説が当てはまらないことが分かってしまった。リンショピングの中心街にある雑誌専門店に入った時のことである。レジの真向かいの一角にハードコアポルノが所狭しと並べられているではないか。膝の位置ぐらいから背が届かないほど高い位置までぎっしり陳列されていた。街のはずれでこっそり売っているのならまだしも、人口13万人、スウェーデン第5の都市のど真ん中でぼかしのない扇情的なハードコアポルノが一般の雑誌と同様に堂々と販売されているのだ(ここで述べているのは、日本の男性週刊誌にあるようなヘアヌードといった生やさしいレベルのポルノではない)。我が目を疑ったが、これがスウェーデンの現実なのだと悟った。70種類ほどあったろうか。2,3の雑誌をチェックしただけなので正確なことは分からないが、販売されていたのは成人ポルノだけで、国際的な社会問題になっている児童ポルノは置いていなかったように思う。
 
  それ以後、SJ(Sverige Järnväg, スウェーデンの国鉄)を利用する際には、各駅にあるキオスクに立ち寄ってポルノのチェックをしたが、量こそ先に述べた雑誌専門店より少ないものの、やはりハードコアポルノは置いてあった。あのようなハードコアポルノが子供たちにどのような影響を与えているのか研究したいと思うほど気がかりな現状である。

  さらに気がかりなことは、こうした現状を当のスウェーデン人の大人達が知らないことだ。全く不思議である。スウェーデン人にこの実態を話しても、関心がないようにも感じられた。ある時には、日本でのポルノの氾濫の方が問題であるというような批判を受けた。1970年代以降、スウェーデンはフリーセックスの国、ポルノの国というイメージが付与され、かなりイメージダウンになったはずだ。にもかかわらず、ポルノを規制してイメージアップを計ることよりも、「表現の自由」を優先しているということであろうか。あるいは、政府が、インターネット上でのハードコアポルノの氾濫に目を奪われてポルノ雑誌への関心が弱くなってしまったということであろうか。
 
  このようにスウェーデンはポルノフリーであるが、日本のようなピンクキャバレー(?)、ファッションマッサージ、ソープランドなど生身の人間が性を売るようないかがわしい店はないようである。スウェーデンでは、性の商品化は雑誌やビデオなどに限定されているようである。

○●○● 画面左上のカウンターの真下にあるボックスを1回クリックして
いただければキョトンCがスマイルSに変わります!!


コメント ( 9 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする