【12/5, 6の作業】井戸掘削
海辺の村では水が来なくて散々苦労したので、今度は絶対に井戸を掘ると決めていた。今の村は人口が少なく、水道が整備されたのも約10年前と比較的新しいので、断水などの問題はほとんどない。借家では隣接する大家のおこぼれ的に水道が繋がっているが、水量などの問題は何もない。
が、ハリケーンが来ようと何があろうと、もう今度こそ水で苦労するのは嫌なので、そこは有無を言わさず井戸である。お隣さんのヒルベルトの紹介で業者がやってきた。少し調べたところ、ロータリー方式なる掘り方になると思う。
爆音。おっちゃんが機械の操作、若い子2人でロッドを追加するなどの補助作業。おっちゃんだけ耳栓をしていた。
岩でも砂埃って言うのかわかりませんが、ここらへんの比較的浅い地層は黒土に岩がゴロゴロ埋まっていて、その埋まってる岩が砕かれるときに出るらしい。
最初にピットがついた1メートルくらいの棒で掘って、それが全部地中に進んだら、次からは1本2メートルちょっとの棒をどんどん足していく。
機械そのものは海辺の村のあちこちで使っていたのと同じだが、砂地を掘るのとは迫力が違う! ガンガン砕いてる!という感じ。説明するの難しいんだけど…
途中から、ロッドが降りていくのが遅くなった。家の基礎が載るラハと呼ばれる大きな岩に穴を開けているらしい。岩が埋まった黒土の層の下にある地層で、深さ(岩のどの部分か)によって硬さが違うようで、一番時間がかかる時は1分で1センチも進まない。
粉末の衣料用洗剤を混ぜると岩に浸透して砕けやすくなるそうで、時々洗剤を溶かした水を入れていた。
28メートルの深さまで掘り進んだ。15メートルを超えたくらいで水は出るそうだが(海辺の村では3メートルくらいだが塩分混じり)、この辺は農作物に水やりするために井戸を掘る人が結構いるので、乾季の終わり頃には地下水が減って出なくなってしまうこともあるという。我々の水への執着をヒルベルト経由で聞いていたらしく、30メートル以上の深さまで掘ってそういう時にも水が出るようにするらしい。
我々より早く現場に到着したようで、200メートルくらい離れた借家にも掘る音が聞こえてきていた。
この深さになると、めちゃくちゃ硬い層らしい。
埋め込むPVC管が脇で待機している。
深くなるにつれ、大変になる。
深さ通りの本数のPVC管を入れ、最後の管が地表に30センチ出てる状態で終了。ゴミが入らないようにビニール袋をかぶせて終了。
コンプレッサーは他の車で牽引。どこでもこの2台体制らしく、海辺の村で見慣れていた通り。
この女性が直接の受注人で、彼女が3人のチームを連れてきた。連邦政府の仕事で地方の業者の受注効率や施工品質を上げるコンサルみたいなことをしているらしい。すぐ下請けの3人チームに払えるよう、現金で。
とにかく海辺の村で見ていたのとすごく違う。あっちは砂地なんで、機械は同じようにうるさいがサアーッと掘り進んでいく。が、ここはそうはいかない。すごい迫力だった。見てる方も爆音で頭がガンガンするし、なかなか進んでいかないと、いつ無理だからやめると言われるか、ハラハラしてしまう。実際は我々が無知だっただけで、どんなに時間がかかっても目標の深さまで作業を続けるらしい。
彼女にポンプの手配と設置も頼むことにしたので、数日後見積もりが上がってくる。こんな苦労して掘ったのに中国製のやっすいポンプが壊れて水が出ないなんてことにならないように、1.5馬力の高性能(比較的)ポンプ限定で手配してもらう。モンテレイというメキシコ北東部の大都市の輸入代理店を使うことになるだろうと話していた。おそらく、今回の工事でユカタン州以外から買う唯一の物。
あー、疲れた。見てるだけで。けど、これで水の問題とは縁がなくなる。万歳。おまけに、自然が豊かなユカタン半島が蓄える豊富な地下水のうち、特に汚染されていない地域での井戸で、深さが40メートル近くとなると、なんと飲めるという! 煮沸くらいはするだろうが、もう20リットル入りの飲料水を買わなくてもいい‼︎
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます