La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

チチャラとコチニータ・ピビル

2024年01月14日 | ユカタン諸々

親方に家でニーニョの日をするので来いと呼ばれた。よくわからないんだが、12月24日から続くクリスマスの最後の宗教イベントらしい。まだやってんのかと思わなくもないが、松の内も15日までなんだから同じか。

その席の食事用に豚を一頭屠る。皮でチチャラ、肉他はコチニータ・ピビルにする。両方とも最近は知名度があるが、バリバリのマヤ式の作り方は初めて見た。夜、木々に囲まれた広い庭の一角で、火を起こして両方作る。一瞬キャンプみたいなのを想像するかもしれませんが、その近くには豚を屠った跡(血)。だが親方一族の小さい子供に「そこ、滑るから注意」と言われるくらい、彼らにとっては単なるひとつのプロセス。祭事ではあるが珍しいわけではないのである。日本の餅つきみたいな位置付けですね。

 マタドールのおじさん。

チチャラを作っているのが、豚を解体したプロ。マタドールって普通に使う職業名の言葉なのか知らないが、要は一匹/頭おとす人。ちなみに豚だけじゃなくて牛でも鹿でも何でも。

 子羊も2匹いた(いつ食べるかは不明)。

 おじさんとその娘。

娘は8歳からおじさんの英才教育を受けていて、今ではおじさん同様、村で引っ張りだこのマタドーラらしい。

で、チチャラ。ユカタンではそう呼ぶが、おそらくチチャロンという名前のほうが知られている。メキシコのソウルフードとも言われている豚の皮を揚げた料理で、大鍋で作った揚げたてを買ってつまんだりタコスにしたり、カリカリになったのが袋詰めで売られたりもしている。

 暗くてすみません。

皮の部分(ちょっと肉も付いててめちゃうま)を鍋にかけると、自然に脂が出てくる。

 つまりラード。

チチャラを取り出した後、残った皮がカリカリになるまで揚げ続けて、きれいなラードを作る。ユカタン料理ではよく使う。

 揚げ立てのチチャラを取り分ける。

肉が多めに付いているところと、がっつり皮のところ。弟くん(少年)も手伝っていた。熱がらないで触れるようになったら、お姉さんのようにおじさんから教育を受けられるらしい。いや、揚げたてだよ、熱いでしょ!

ちなみにニホンジンと見て、おじさんが「ちょっと味見しろ!」と少し切ってライムと塩をかけたのをくれたんだが、めちゃくちゃ美味しかった。今までに食べたチチャラは何だったのか!という感じ。肉好きな我々はカリカリの皮よりこっちの方が好き。例によってプロセスに感心していて、今朝見たら肝心の写真がない! 拾い画像でも…と思って探したんだが、時間が経ったものをさらに野菜などと炒めるってな料理の写真ばかりで、揚げたてのチチャラだけの写真が見つからない。今回食べたのはそもそも肉屋で売ってる肉じゃないし、出来たては美味しさが全然違うので、次回は忘れずに写真を撮ります。申し訳ないw。

 肉その他は、コチニータにする。

 採ったばかりのアチオテで作った漬け汁に漬ける。

 コチニータ用の四角い鍋に入れる。

頭がこっち向いてる、怖い。

 バナナの葉を被せる。

 一族の男性陣は土中焼きの準備。

大きな穴が掘ってあった。海辺の家で土中焼きでピブを2回作っが、迫力が違う。その前に海辺の村のある家族で見学させてもらったんだが、そこのとも少し違う。穴の大きさは同じだが、海辺には岩とかいい薪になるデッカい木はない。同じユカタン州でも、我々が今敷地整備で苦労しているように南部は岩だらけ木だらけ。

 ウアノの葉に火をつける。

 葉っぱをもっと入れる。

 薪を入れてその上に岩を積む。

直径15センチから30センチくらい、長さ50センチから1メートルくらいのいろんなサイズの薪というか木を、位置を考えながら積む。慣れたもん。

  しっかり着火した。

薪が燃え落ちると、ちんちんに熱せられた岩が穴の中に落ちる仕組み。この日はニーニョのイベントだったので、こっちに来い来いと言われて準備見学は一旦やめ(させられ)て、大勢と一緒にチチャラを食べた(それの写真も忘れた)。いとまするとき見たら、一番大きい薪がまだ燃え落ちてなくて、あとゆうに1時間はかかりそうだった。

そのあとコチニータ鍋を穴に入れ、土で埋めて一晩放っておいて、焼きあがったのを翌朝食べる。そっちに(つまり今日)も呼ばれたんだが、用事があって残念ながらお相伴にあずかれない。また機会があるだろう。



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