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私はここにいます。朝ゴハンは食べ終わりました。それも二時間前に。トーストを焦がしてしまって、焦げ焦げパンのチーズのせを食べました。「カーネーション」を見て、いとちゃんのお父さん(小林薫さん)が亡くなった後のお葬式の場面を見ていました。何となく喪失感があったんですね。あまりそういうのは経験したくないけど、あの慌ただしさが悲しみを忘れさせてくれるのかもしれません。
そして、一人になったら、ふと悲しみが押し寄せて来る。どうにもならない、取り戻せない感じになるんでした。「どうして生きてるときにしっかり話し合えなかったのか」、なんて反省してももう遅いです。取り返しはつかないのだから、生きてるときに話し合うしかありません。
そのあとの「おにぎり」とヒマラヤ撮影の番組は、印象に残りませんでした。ザンネンです。みんな頑張ってお芝居や撮影しているんです。びっくりするような景色を見せてくれていたと思います。ダウラギリ峰も感動的でした。でも、お仕事が気になっている私は、いい加減に見ていました。ほら、すぐに心はここにはいなくなります。体はここにあるのに、心は他のことを考えている。
私は朝ゴハンを食べつつ、BSを見ていました。久しぶりにお茶漬けを食べました。朝ゴハンにお米を食べるなんて、めったにないことですが、食べてしまった。お茶漬け日和だったというのか、食べたくなったようです。
それから、シリアのアサド政権が終わってしまったワールドニュース。ドイツでも、フランスでも、まずその話から始まっていました。
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いつかは終わると思っていた独裁が終わりました。終わらせたのは反政府勢力。アルカイダ系の反政府勢力ということですが、どこが支援していたのか。トルコなのか、サウジなのか。ロシア軍基地はどうなるのか。駐留するロシア軍の攻撃機にしたところで30機が10機くらいに減っていて、空爆などもできず、アサド政権を支えきれなくなっていたというし、政府軍内では給料が払われなくなっていたそうで、政府軍兵士たちもあっさりと武装解除に応じたというし、抵抗も少なく、簡単に首都ダマスカスまでたどり着けたそうです。崩れる時はこんなものみたいです。
新しい政府は、もちろん混沌としているし、その混沌の中から新しい独裁者が生まれるのではないのかと心配になります。倒しても倒しても、国民を支配しようとする新しい独裁者がニコニコと登場し、ニコニコと搾取する。
世界はみんなでつまらない人をトップに押し上げ、そのつまらない人たちが、誰が見ても意味のないことを平気で押し進めていたりする。そして、たくさんの犠牲者が出てしまうのです。
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21世紀に入って、ずっと混沌は続いています。世界の協調が失われて何年になるだろう。みんながバラバラで、好きなことをして、他人のことは知らない方式で進んでいます。
だから、安くておいしいとなれば、食い物にするためにビンボー日本にだって押し寄せてきます。我がもの顔で買いたたき、食い散らしていくのでしょう。そうすると、やがては日本の人の心もすさんでいき、さらに日本の人たちも自分の利益のことだけしか考えなくなるでしょう。
そういう貧しい心を抱えた人々は、熱狂的に独裁的な人を押し上げないとも限らない。ビンボー日本に独裁者は似合わないけど、いつどうなるともわかりません。それよりも、もっとみんなお互いのことを相手に教え合わないといけないな。
外国の人たちも、ありふれたとこばかり行かないで、実につまらない、どこにでもある日本の路地を歩いて、安くておいしくて、しかもあたたかい日本に触れて、そこに住みたいと思ってもらわないといけないな。生活していく分には穏やかな土地だとは思うけど、時々激しい災害は起きますね。みんな英語がしゃべれないしなあ。
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私は、紀伊半島の一部に住んでいます。大きな半島です。未知の土地がたくさんあります。山が深くて、私などはただひれ伏すばかりです。ひれ伏してはいますし、その土地の力を信じたいと思っています。なかなかおもしろい土地に住んでいるのだと思います。
やがては大きな地震もあるでしょう。雨や風、台風、洪水、いろんな自然現象はあるでしょう。大変な時にはうまくそれを避けて、細々と生きていきたいです。
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政治も、経済も、いろんな分野で落ち着きはなくなっています。でも、私の生活はここにあって、時間だけが過ぎていきます。せめて誰かの役に立つ仕事をしたいけれど、それも面倒でだらけてしまうことがあるから、誰にも見つけてもらえず、ひとりションボリとしていることでしょう。でも、コツコツとつまらないことをしていくんです。役に立つことをしたいけれども、なかなか人の役に立つことはできてないです。