東大寺の大仏殿をくるりと回った最終コーナーのところに、必ず行列ができています。近ごろはこの行列の長いこと！ だれもがそれをしないと気が済まないという感じで、みんなが憤然として待っています。
たしかに拝観料をはらっているのだから、そりゃもう、楽しまなきゃ損なのですが、そんなにムキになって並ばなくてもいいのじゃないかなと、オッサンの私は思ってしまいます。仕方がないので、そこはスルーして、お土産コーナー前のチヨウチョさんのところに直行して、左側からの大仏さんを拝むようにしています。
「おい、もう帰るのかい！」とお声をかけてくださるとウレシイですけど、そういうことはないので、こちらから「それでは、またいつかお参りに来ます」と挨拶して出て行くようにしています。
近ごろは特にそうなのです。みんながまわりの人と同じことをしたがっているんです。だれかがハワイに行ったら、自分も負けずに行く。別にハワイでなくてもいいのですが、とにかくある目的地が見えたら、みんながそこを目ざし、だれかと同じようなことをしなきゃならない感じです。妥協がありません。ものすごい横並び意識があります。
そこに韓国の人も、中国の人も来ます。台湾の人もそれとなく来ている。東アジア全体が、何か１つの流行を求めて、ウネウネ動いているような気がします。その波に巻かれて、欧米の人たちもマネをして一緒に動いていく（という時もたまにあります）。こうして波は東アジアから、あちらこちらに波及していきます。
たとえば、ＭＬＢもそうでした。野茂英雄さんが渡米したのが1995年。彼が大活躍して、韓国からパク・チャンホさん、その他中国・台湾などから才能のある人が次々にアメリカに飛び込んでいきました。その流れに乗って、楽天の田中将大さんもヤンキースに入団することになりました。これからは、もっと違う形の渡米も出てくるでしょう。直接日本のドラフトを経ないとか（レッドソックスの田沢さんが第一号になりました。菊池雄星くんや大谷くんなどが二号になるかなと思ってましたけど、そのうちどんどん出てくるでしょう）、最初からアメリカを目ざすとか、アメリカで野球をするためにアメリカに留学するとか……。でも、日本の野球は日本に根付いているから、とにかく国内で一旗揚げることがとりあえず大事ですね。
サッカーはそうではありません。小さいときから大事に育てた選手が、２０代前半でどんどん渡欧します。時には１０代でヨーロッパに行く人だっています。この流れは東アジア全体に動いていて、韓国の選手たちは、国内よりも国外に出ることが目標になっています。日本の選手も同様です。これは野球・サッカーだけでなく、すべての東アジアのいろいろが、その最先端を目ざして波を作っていくのではないでしようか。（当たり前のことを書いていますね）
そんなトップの選手だけではなく、すべての庶民が、あらゆる所で流行を追いかけているようです。観光においては東アジアは１つになったのですね。韓流ブームで韓国ツアーは今も大きな流れです。日本の自然遺産・文化遺産に出かけて、現地の人がやるように参拝・観光する。屋久島に押し寄せて古代の杉を見に行く。清水の舞台で写真を撮り、音羽の滝で願掛けをする。旭山動物園で動物とふれあう。これは日本の流行じゃなくて、東アジア全体の流行になっています。
だから、東大寺に来たら、入り口の仏さんを触る。大仏さんの写真を撮る。柱の下の大仏さんの鼻の穴と同じ大きさにしてある空間をくぐる。老いも若きも、日本の人も、外国の人も、そして穴を抜けたら待っている人に抜けた姿を写真に撮ってもらう。気に入れば、それをネット上に流す。
ああ、みんなが同じことをしたがっています。確かに、それも１つの体験かもしれないけれど、何も並んで、絶対それをしなくてはダメ！ と、そんなにムキにならなくてもいいような気がします。
私は、ひょっとして、小さい頃、そこをくぐったことがあるかもしれません。でも、記憶は一切ないので、幸いにもやったことはないかもしれません。うちの子どもは、そんなお決まりのことは大嫌いなのでしていないと思います。時には泣き出す子、ぐずる子、あざわらう外国の人、チャレンジするお年寄り、いろんな人がいていいと思います。
今、それは大仏殿のきまりごとになりつつあるけれど、別にしなくてもいいのです。鹿さんにせんべいをあげてもいいし、あげなくてもいい。大仏さんの写真はみんな撮っているけれど、撮らなくてただ驚くだけでもいいのです。自分が好きなものを見つけられたら、それでいいと思うんです。
好きなように、好きなものを楽しめばいいのです。でも、折角だから、二月堂から暮れてゆく奈良の町を眺めたり、若草山あたりの内気な鹿さんをからかったり、とにかく奈良の町を楽しまなくてはいけません。ムキになって外国の観光客に怒っても何もなりません。
今日は大雪になりました。きっと奈良の町は寒かったと思います。でも、それはそれで楽しかったんじやないかなと……。同じことを何度も書いてます。失礼しました。
たしかに拝観料をはらっているのだから、そりゃもう、楽しまなきゃ損なのですが、そんなにムキになって並ばなくてもいいのじゃないかなと、オッサンの私は思ってしまいます。仕方がないので、そこはスルーして、お土産コーナー前のチヨウチョさんのところに直行して、左側からの大仏さんを拝むようにしています。
「おい、もう帰るのかい！」とお声をかけてくださるとウレシイですけど、そういうことはないので、こちらから「それでは、またいつかお参りに来ます」と挨拶して出て行くようにしています。
近ごろは特にそうなのです。みんながまわりの人と同じことをしたがっているんです。だれかがハワイに行ったら、自分も負けずに行く。別にハワイでなくてもいいのですが、とにかくある目的地が見えたら、みんながそこを目ざし、だれかと同じようなことをしなきゃならない感じです。妥協がありません。ものすごい横並び意識があります。
そこに韓国の人も、中国の人も来ます。台湾の人もそれとなく来ている。東アジア全体が、何か１つの流行を求めて、ウネウネ動いているような気がします。その波に巻かれて、欧米の人たちもマネをして一緒に動いていく（という時もたまにあります）。こうして波は東アジアから、あちらこちらに波及していきます。
たとえば、ＭＬＢもそうでした。野茂英雄さんが渡米したのが1995年。彼が大活躍して、韓国からパク・チャンホさん、その他中国・台湾などから才能のある人が次々にアメリカに飛び込んでいきました。その流れに乗って、楽天の田中将大さんもヤンキースに入団することになりました。これからは、もっと違う形の渡米も出てくるでしょう。直接日本のドラフトを経ないとか（レッドソックスの田沢さんが第一号になりました。菊池雄星くんや大谷くんなどが二号になるかなと思ってましたけど、そのうちどんどん出てくるでしょう）、最初からアメリカを目ざすとか、アメリカで野球をするためにアメリカに留学するとか……。でも、日本の野球は日本に根付いているから、とにかく国内で一旗揚げることがとりあえず大事ですね。
サッカーはそうではありません。小さいときから大事に育てた選手が、２０代前半でどんどん渡欧します。時には１０代でヨーロッパに行く人だっています。この流れは東アジア全体に動いていて、韓国の選手たちは、国内よりも国外に出ることが目標になっています。日本の選手も同様です。これは野球・サッカーだけでなく、すべての東アジアのいろいろが、その最先端を目ざして波を作っていくのではないでしようか。（当たり前のことを書いていますね）
そんなトップの選手だけではなく、すべての庶民が、あらゆる所で流行を追いかけているようです。観光においては東アジアは１つになったのですね。韓流ブームで韓国ツアーは今も大きな流れです。日本の自然遺産・文化遺産に出かけて、現地の人がやるように参拝・観光する。屋久島に押し寄せて古代の杉を見に行く。清水の舞台で写真を撮り、音羽の滝で願掛けをする。旭山動物園で動物とふれあう。これは日本の流行じゃなくて、東アジア全体の流行になっています。
だから、東大寺に来たら、入り口の仏さんを触る。大仏さんの写真を撮る。柱の下の大仏さんの鼻の穴と同じ大きさにしてある空間をくぐる。老いも若きも、日本の人も、外国の人も、そして穴を抜けたら待っている人に抜けた姿を写真に撮ってもらう。気に入れば、それをネット上に流す。
ああ、みんなが同じことをしたがっています。確かに、それも１つの体験かもしれないけれど、何も並んで、絶対それをしなくてはダメ！ と、そんなにムキにならなくてもいいような気がします。
私は、ひょっとして、小さい頃、そこをくぐったことがあるかもしれません。でも、記憶は一切ないので、幸いにもやったことはないかもしれません。うちの子どもは、そんなお決まりのことは大嫌いなのでしていないと思います。時には泣き出す子、ぐずる子、あざわらう外国の人、チャレンジするお年寄り、いろんな人がいていいと思います。
今、それは大仏殿のきまりごとになりつつあるけれど、別にしなくてもいいのです。鹿さんにせんべいをあげてもいいし、あげなくてもいい。大仏さんの写真はみんな撮っているけれど、撮らなくてただ驚くだけでもいいのです。自分が好きなものを見つけられたら、それでいいと思うんです。
好きなように、好きなものを楽しめばいいのです。でも、折角だから、二月堂から暮れてゆく奈良の町を眺めたり、若草山あたりの内気な鹿さんをからかったり、とにかく奈良の町を楽しまなくてはいけません。ムキになって外国の観光客に怒っても何もなりません。
今日は大雪になりました。きっと奈良の町は寒かったと思います。でも、それはそれで楽しかったんじやないかなと……。同じことを何度も書いてます。失礼しました。
