甘い生活 since2013

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騎士団長その後

2017年08月22日 21時32分17秒 | 本と文学と人と

 村上春樹さんの『騎士団長殺し』第1部は読み終えました。あまりちゃんと理解できていません。そして今も第2部をモタモタと読んでいるのでした。

 主人公、山の上の謎の紳士、主人公の大学時代の友人という3人のオジサンたちが出てきます。主人公は三十代後半で、謎の紳士は頭が真っ白のお金持ち、クルマもたくさん持ち、あまり仕事はしていないようなのに、家で大金を生み出すお仕事をしている。IT関連の何かということになっているのだけれど、私もそんなお金持ちになりたいけれど、ポツンと1人暮らしもできないし、お金も稼ぎ出せないので、まあ、小説の中のフィクションの人物としておきましょう。

 大学時代の友人は、父親が高名な日本画家で、現在は老人施設に入ったままになっている。主人公は、その画家さんのアトリエ兼住宅に住まわせてもらっている。

 アラフォーの男たちが、女たちとの関係に失敗して、ポツンと自分だけで暮らしてはいるものの、家族を求めながら生きている。その家族は、老人施設で療養中だったり、離婚手続きが進行していたり、一度だけ関係を持った女が亡くなり、その一人娘に近づく手段を求めていたりする。そういう3人の男たちがメインの小説のようです。

 女の人は、男から愛される存在として描かれますが、あまり内面を表出させず、それこそネコのように、機嫌がよかったり悪かったり、雲をつかむような感じとして出てきます。女の人の側を一切描かず、私や謎の男や同級生が関わりを持ったときだけ、電話に出たり、絵のモデルをしたり、クルマの話をしたり、適当に男どもに合わせてやっているようでした。

 物語は、この男たちの家族再生の過程が描かれることになります。男たちは家族を失った過去を持ち、そこから立ち上がるためにあれこれと模索するのです。

 そこに日本画家の残した「騎士団長殺し」という不思議な魅力を持つ、屋根裏に隠されていた絵と、画家の屋敷内の奥に空洞なのか、井戸なのか、石室なのかが不明の空間から封印されていた存在が形を見せ、物語を不思議な世界へ推し進めていくというムラカミワールドになっているようでした。

 第2部の五分の一くらいしか読んでいないのですが、主人公と大学の友人が東京でお食事する場面がでてきて、主人公の別れた妻のことを、友は話したかったようなのですが、話せなくて「また、今度話そう」という場面があって、ああ、これはいけない泥沼になってしまう。ムラカミワールドもメチャクチャになってしまうと心配して、友人が主人公の妻を奪い取ったのか、それが気になって、後半をパラバラ読んで、私の心配はただのゲスの勘ぐりで、ああ、よかったと安心して、やはり、家族再生はここにたどりつくのか、と結末までチラリとみてしまいました。

 もう後は、ここへたどりつくまでの過程がさらに続けられ、石室からあらわれたミイラみたいなものはどうなるのか、それが確認できたら、本も読み終えるということになるのだと理解したところです。



 うまく説明し切れていないけど、とにかくハルキさんは、家族の再生をめざしたんです。物語としてはうまくおさまるようです。けれども、私は、この小説は何をめざし、何を訴えたかったのか、わからなくなっています。最後まで時間を掛けて読んで、はたしてわかるのかどうか。たのしいのかどうか。とりあえず読んでいるけれど、それさえわからないままに読んでいます。さあ、第2部をいつ読み終えることができるやら……。


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