もちろん、私たちの「ラブラブ」は変わっています。でも、たぶん、「ラブラブ」なんだという気がします。そうでなくて、私だけのカン違いかもしれないけど、少なくとも私はそう思っています。
私たちは三十数年前の今日、やっと結婚できたことになっています。正式に籍を入れたのはもう忘れたけれど、友だちと親戚一同に集まってもらって、イベントをしたのは八月二日でした。
ホテルHで結婚式とかをしました。もちろん、野球もHのファンだから、ホテルもHにしました。でも、あまり意味はなかったなと、今さらながら思います。
昔はあまり考えないで、ノリで決めてしまうことが多かったですから、そんなことになりました。
今なら、式など上げず、さっさと籍を入れて、さっさと夫婦でございます。とかなんとか、そういう形にしてしまえるのに、当時はそれができなかったのです。やはり親たちには理想の子どもの結婚式のイメージがあったんでしょう。
その親たちは、どんな結婚式を挙げたのか、あまり聞いたことはなかったけれど、わざとらしい式典みたいなの、そんなのはなかったんじゃないかな。
20世紀の結婚式の典型だったのでしょう。それを私たちも踏まえなくてはならなかった。
私たちは、出会ったのは40年前で、交際したのはそれから1年半後、交際期間は6年くらい。よく頑張りました。すべて彼女が頑張ったから、私もボチボチとやれたんです。
彼女が適当に見切りをつけていたら、私は路頭に迷い、今はどこでどんな暮らしをしていたのか、わからないくらい未来が見えていなかったでしょう。
彼女と交際することで、あれやこれやとやれないことができて、何となく存在していた壁みたいなのも突き破ることができた。
そして今は、壁も何もないけど、広い野原に二人で再び立たされる気分です。
そうなると、私としても、これからどこへ歩いていくのか、彼女とどれだけ行けるのか、考え、行動しなくてはいけません。ああ、困りましたねえ。私はこれからどこへ行けばいいんだろう。
古本屋? 農場主? ワイナリー経営? どれも現実味がないですね。とりあえずチビチビやれるのは古本屋さんかな。でも、儲からないな。どうしたら生活できるんだろう。
悩みはあるのに、あまり考えていませんね。そんなことより、日々のお酒とか、ヨーグルトに何を入れようとか、そんなつまらないことしか考えていない。
今夜なんか、奥さんが買ってくれた新物のいちじくをヨーグルトに混ぜました。これまたおいしかった。おいしすぎてお腹がいっぱいになりました。
もうすぐしたらお月さんが出てきますか?
その前に、あまりに暑くて、もうエアコンの部屋で寝るしかありません。
月も見えない。ものすごく暑い夜。壊れかけた扇風機の風も硬くて無愛想な感じです。
明日も、明後日も、その次も仕事はあるようです。仕方がない。1日ずつこなしていくしかないですね。