甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

ひたすら桃を食べた日々

2020年09月15日 21時34分54秒 | Back To The 80's

 今年の梨のシーズンは、もう終わった感じです。今も産直などには出ているけれど、安くておいしい、次から次と食べてもいつでも食べられるみたいな、あの安心感のある梨ではありません。一つが250円くらいするようでは、とても食べる気になりません。何だか恐る恐る食べなくてはならない。

 今年は、幸水・豊水・なんとか水、あれこれ選んで食べるということもありませんでした。不作だったのかな。うちの子は梨が好きでしたけど、残念でした。

 私は、桃もブドウも、イチゴも好きだったのだけれど、オッサンになったせいか、イチゴには熱心ではなくなりました。たまに安売りでたくさんあれば、ジャムにしようかなと考えたりするけど、たいていは見ないようにしています。甘いはずだけど、そんなにおいしいとは思えなくなりました。

 ブドウは、いろんな味、いろんな色、今が盛りだけど、これも高級だし、昔みたいにデラウエアをチビチビと口の中にいれて、いつまでもクチャクチャ食べるということもなくなりました。そんなに安くないし、他にもおいしそうなのがあるし、その他のブドウは、少し手が出せないのです。


 今の時期、いろんな果物が食べられて、私のフルーツライフは盛り上がってますね。あと少ししたら、柿も出て来るし、いろんなミカンも出て来るし、温州ミカンだって、早生、マルチ、その他いろいろが出て来るでしょう。

 楽しみなんですけど、でも、それらは仮の姿で、冬になったら、夏ミカンをどこかで買ってきて、それをずっと半年くらい食べることにします。

 前にも書きましたが、この二、三年ずっと夏みかんに心を奪われています。これがないことには、冬が越せないくらいに夏みかんが好きになってしまった。ハッサクだって、伊予柑だっていいんだけど、とにかく夏みかんです!


 でも、今日書きたいのは、桃だった。

 生涯で一番たくさん桃を食べた季節、それが二十歳の夏、七月中頃から二週間、ナゴヤ場所がやってた頃、この時は一日にどれくらい桃を食べたんでしょう。たくさん食べたとはいっても10コくらいだったのかもしれないけど、それはもう食べたんです。

 バイトで、山梨の桃の選果場に行きました。他の農家さんのところに配属された人もいたみたいだけど、ボクとその仲間は、古い民家に若い人が十数人で寝泊まりすることになり、そこから選果場まで行き、お仕事をして、夕方になったら帰り、風呂やらゴハンやらを食べさせてもらい、疲れたら寝るという、それはもうひたすら仕事をする日々を過ごしたんでした。

 楽しみは、帰ってきてからみんなで相撲中継を見ることと、バイトの休憩時間にたらふく食べる桃くらいしかなかった。

 でも、本当に無邪気に仕事に向き合い、みんなでテレビを見ながら雄たけびを上げ(横綱の輪島が躍進する北の湖を寄り切りで破ったりとかした時に)たり、他には何もしないでひたすら寝て、起きて、そんな日々がありました。

 二週間という限られた時間ではあるし、とりあえずお金がもらえるのはうれしいし、ケータイ電話も持たないので、そこにいる仲間しかいないし、その仲間と一緒に時間を過ごすことだけで日は過ぎていきました。

 桃は、それはもうおいしかったし、硬いのもあるし、柔らかくなっているのもありました。もう手当たり次第に廃棄処分の桃たちに手を出して、おいしくなかったらすぐに捨ててしまうし、簡単に皮はむけちゃうし、休み時間をフル活用して食べました。10時、お昼、15時と、食べたんだと思われます。


 夢のような二週間が過ぎて、ボクはそのまま石川県の友人のおうちに遊びに行き、彼の家の周りの山代温泉、山中温泉、東尋坊、那谷寺、いろん名所に連れて行ってもらいました。あの時以来、結婚式には行かせてもらったけれど、落ち着いて山代温泉に行かせてもらったことがありません。

 もう何十年も行っていない。

 経験はどんどん古びて行くし、二度とそういうところへは戻ることはできません。再び訪れることができたとしても、場所は同じでも、人は同じではないはずです。

 そして、今のボクは、どこにも行かないで、昔を懐かしんでいるだけです。何もしていない。

 それは仕方がないのだけど、今はそういう期間なのだと思うけれど、誰にも会わなくていいから、このグータラの自分を知らないところへ放り込んでみたいとは思うのです。

 今は、日常生活の不平ばかりためこんでいるけど、外に出てみれば、それがどんなにありがたいことなのか、見直さなくてはならないと思うんです。

 ぜいたくを言い過ぎです。反省して、また明日から、チビチビ過ごしていきます。一日でもいいから、お酒を飲まない日というのを設定できたらいいのに、意志が弱くて、すぐに流されてしまいます。

 いかんなあ。




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