うちの近所で長年レンタルやさんをやってたところ、そこが閉店して、
「あれ、使われなくなったと思ってたけど、次は何になるんだろう?」と少し楽しみにしていました。
そのお店が、なんと取り壊されていました。もう今日チラッと見たところではあとかたもなくなっていました。
私が三重県に来る前から、ずっとスーパーとして存在していた建物でした。それが時代の流れで閉店して、違うところでとっかえひっかえ営業していますけど、スーパーだった建物はリフォームされてレンタルやさんになった。それはちょうど20年くらい前でした。
レンタルビデオ屋さんとはいうものの、単独のお店ではなくて、いくつかの支店がある、大手系列のお店で、利用者としてもいろんなものが借りられるだろうし、見たいものが見られそうで、当初はたくさんの利用者がいました。最初のころは、私も会員になりました。そのころはビデオを借りていて、それが少しずつDVDになり、そのうちにDVDも借りなくなっていきました。
それは、私の個人的な変化であり、私はお金を出して借りたいビデオやDVDがなくなっていきました。でも、世の中にはいつまでもレンタルDVDという業態は続いていくのだろうと思っていました。
それが変わってきたのは、やはり若者たちが持っている小さな機械の影響だったようです。若い人たちは、お金を出してDVDを見るよりも、小さな機械でただで見られる動画を見て過ごすようになってしまった。そして、レンタル屋さんの経営は立ち行かなくなったのかもしれない。
この20年で、一つの業界がバブリーになり、大繁盛したと思ったら、急速にしぼんでいることってもっとたくさんある気がします。これは一つの変化なんでしょう。次から次とかつて栄光を見た業態がしぼんでいくのかもしれない。何が儲かるのか、先見の明のある人だけがそれを先取りしていくんでしょう。
レンタルビデオでお馴染みのツタヤグループは、調べてみると、1985年の枚方市の本屋さんがスタートなんだそうです。そこからTポイントとか、いろんな世界に入り込んでいき、今では何が本業なのか、私みたいなオッサンにはわからなくなってきました。とりあえず、本屋やレンタルビデオでお金を稼いでいるところではないような気がします。
同じようなグループで、ブックオフさん。こちらは1990年に神奈川県でスタートして全国展開したと思ったら、これまた三重県でもそうだけど、どんどん閉店して、業態を変えようとしている。そのうち、本さえ扱わない会社に変化していくのかもしれないです。
ほんの30年で会社というのは、大当たりしたり、拡大したり、縮小したりしていく。ずっと前に、ブックオフの社長さんだった人は、主婦のバイトから社長にまでのし上がった人がいた、というのを新聞記事で読んだ記憶があります。それもかなり昔のことだから、今はどういうふうに生き残るかで、経営陣たちは頭を悩ませておられることでしょう。
バイトから社長などというシンデレラ伝説はもうないはずで、ただ生き残るのに必死なのだと思います。光明は見えるんだろうか。スマホの中にどんなふうに入っていくか、そういう仕掛けを考えられるかなんだろうな。
とにかく私も、ここでは本を買わなくなりました。あまり利用もしていません。まあ、本を読みませんから、利用どころの話ではないですね。
20年、30年で会社の運命・経営者の運命は変わっていく。いや、むしろそれくらい長く経営の第一線に立てること自体がすごいことなのだと思われます。
カルロス・ゴーンさんも、だいたい20年近く日産とルノーをつなぎ、日産そのものを輝かせることに成功したすごい経営者でした。経営の力はあったと思われます。でも、ずっとトップであり続けて、今回、日産の内部告発によってトップの座を追われた。
これも一つの流れ・変化なのかもしれない。日産という会社が変わるのか。それともかつてのように落ち込んでいくのか、それは私にはわかりません。とりあえず、日産のクルマとは縁がありません。それが残念だとも思えないし、無縁でもわりと平気です。
内部告発した人たちは、とりあえず長い間の目の上のタンコブを取り外した気持ちなんでしょう。でも、中国市場でもうけを上げられるんだろうか。電気では少しリードしているけれど、世界でトップに立てるんだろうか。ヨーロッパ市場でもやれるんだろうか。
私は、何となく不安な気がします。他人事だけど、ナンバー2で満足する体質は、やがてとんでもない落ち込みにつながっていくのではないかと心配します。
私腹を肥やす、独裁的な経営者はダメだろうけど、経営のセンスのある人は、とりあえず、国籍を問わずにトップに据えること、そんなに悪いことではないと思うんだけど……、でも、もうやっちゃいましたからね。もう、戻れないな……。