話はつづいていないと気が済まない人たちがいます。何を言ってんだか、ちっともわからないから、もう少しこちらにゆとりを持たせてくれて、わかるところをやんわり話してくれたらいいのに、あれもあるよこれもあるよ、こういうのもそのうちありますだなんて、次から次とかぶせてくる人たちがいる。
みんながみんな、そんな言いたいことだけを言い放つ人ではなくて、相手の反応を見ながら、大切なこと、そうでないこと、あれこれ色分けしながら語ってくれる人がいたら、たいていそういう人の話は落ち着いて聞くことができるから、すんなり心に入ってくるので、「はい、わかりました」と一度で納得できるんだけど、あれもこれも言っておいて、書類にも書いてあるし、それも見直してもらって、言えるだけのことを言っておこうという人のしゃべりは、残念ながら何も耳に入りません。そんなだったら、最初から何も言わないでもいいくらいなんだけど、相手も気が済まない人と決まっているから、ありったけを言うみたいです。
何だか無駄な時間を過ごすことになります。だから、私は、たぶん、あれこれ言われても何にも残らないよ、というのは伝えているつもりなんだけど、相手も性分だから、言う。そして、私は何も聞いていない。
こうしたすれ違いがあるみたいです。なるべく最低限のしゃべりの空間にいたいのに、世の中は、いろんな人が間をうめるためにめくるめくおしゃべりをしているみたいです。
私は、小さい時は無意味に空間を埋める、無駄口をたくさんたたいたヤツでしたけど、今では何にも言わないオッサンになってしまった。もう少しあれこれしゃべれたらいいのに、うまくしゃべれていない時もあるみたいです。適度なしゃべり・的確な一言、そういうのを大事にしていきたいです。
はなしの接ぎ穂が途切れまくってもいいから、相手にちゃんとした気持ちは伝えたいな。言うだけのことを言っておこうという義務的なものは、当然のことながら、何も残さないんだけどなあ。