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先週の土曜、お昼過ぎに奈良公園に着きました。駐車場はガラガラでした。確かにものすごい日差しで、こんな中を歩こうという人なんかいないのです。けれども、勇敢な外国の人たちが人力車にのせてもらって、坂道をゆきます。本来なら自分たちの足で歩くはずでしょうが、日本情緒を楽しもうと、人力車に乗ることにしたようです。たぶん東大寺の前まで行くはずで、その前に少し坂道があるようでした。後ろ向きに引っ張っていました。
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私たちは、木陰を選びながら、興福寺まで歩いて行きました。すると、そこでふと見上げると、キツツキがトントンと木をつついていました。もう写真を撮るのも忘れて、キツツキくんの姿を目で追っていて、奥さんに写真は? と促されて撮りましたが、もう飛び去る寸前でまともには撮れなかった。まあ、初めてキツツキくんが見られて、私はそれだけでしあわせでした。これは私の発見でした!
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興福寺を堪能し、さあ、次はどこへ行こうという前に、大魔神を見つけたので、これは撮らなきゃと当然撮りました。
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それで、古本カフェに行こうということで、県庁のうらまで行くことにして、折角だから、県庁の展望台へも行ってみようと提案して、初の県庁です。展望フロアには警備の人がいて、あれやこれやと話しかけてくれて、若者グループにも案内をしていました。私たち夫婦には、春日大社の国宝の御本殿の公開を明日までしているので、ぜひ行ってみなさい。バスですぐです。バスなら100円ですと、アドバイスをしてくださいました。
この熱さにくらべて、展望フロアにいる人たちは、みんな日陰のベンチでぐったりしていました。この人たちは地元の人なのか、それとも観光に疲れた人なのか、どちらかというと、こちらの常連さんみたいな人たちで、全く動かず、すべてのベンチは占有されていました。仕方がないので、私たちは写真を撮ったら、さっさと帰ってしまった。
でも、ここから見る奈良は、いつもの姿とは少し違って見えて、なかなかステキでした。そして、ものすごいミドリだった。何しろ初夏なのです。
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県庁の建物は、てっきり丹下健三さんだと思っていたのですが、調べてみると違う人でした。けれども、その数年前に丹下さんは香川県庁を作っていて、その影響下の奈良県庁という気がします。
建物の上に載せているトンガリは、これはシカの頭です。なかなか奈良公園の建物としては、シカをシンボライズしたかわいらしい建物です。だから、丹下健三さんではなかったのですね。丹下さんはもっとゴツゴツしてたり、芸術みたいになってたりするんでしょう。よくわからないけれど……。
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かくして私たちは、奈良の北町へ到着。ここの古本カフェ・ちちろさんの前まで来ます。
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1分ほどためらって、まあ、せっかく来たのだからと、思い直して中に入りました。
手前にオジサンが1人、真ん中にお姉さんが1人、奥のテーブルに女の人が何人かいました。すべて埋まっている感じなので、一番手前のテーブルに座り込みました。すると、奥のテーブルから、いかにもそれらしい背の高いお姉さんがあらわれ、メニューとお水を出してくれました。
もうそれだけで私たちは気圧されています。みんな本に目を伏せ、音楽はピアノの曲が延々と鳴っている。少しボリュームが高い気がします。ピアノは最近注目はしていますが、あまりに広く、あまりに深いので、私には何がなんだかわからないのです。たぶん、ショパンじゃないのは確かで、気鋭のピアニストのものすごい選曲なんじゃないでしょうか。とにかく大音量で鳴っている。
私たちは、暑かったし、のどが渇いていたので、ホットじゃなく、アイスで奥さんは紅茶、私はレモンジンジャーのハーブティーにしました。しばらくしたら注文したものが届きますが、古本も見なくちゃ、音楽も聞いてみるか……。
それにしても、さっきからずっとネコが2階でずっと鳴き続けているけど、これはどうなっているの? と思っていたら、豆腐屋さんが回ってきて、お店の人がいくつか購入している。奈良の町は、こうして豆腐の移動販売が生きているようです。
しばらくしたら、2人とも飲み干して、本を見るわけでもなく、のんびりくつろぐわけでもなく、何となく居心地が悪いので、とりあえず次の所、古本屋さんめぐりでもしようかと、カフェを飛び出してしまいます。
あとで奥さんが調べたら、ここのオーナーのオジサンは、河瀬直美さんの映画の主演を頼まれてしたらしいです。河瀬監督は、そうした素人を起用して、尾野真千子さんをすくい上げたり、あれこれしてしまう人なので、ここのオーナーさんも一部の間では有名な人らしい。私たちは何も知らないで、よくしゃべる気さくなオジサンだなと見ていただけでした。
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それから、奈良女子大学の方へ抜けていくときに、初宮神社という小さなお社があって、そこで一箱古本市を開催していて、もうその閉店間際でした。そこへ遅れて登場した出店者の業者さんが、持ってきたダンボールが壊れ、すべての本がどっちらけになっていた。それで1冊100円だから買ってください。旅費にしたいのでお願いしますと訴えかけられ、人だかりの中に私も入って、山頭火の句集と子母沢寛さんの本を買いました。
そこでもうすべての古本力は抜けて、あとはただ歩いていたばかりでした。
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かくしてものすごく暑い日の奈良公園の散歩は終了しました。何も買わず、ただ2人でモサモサ歩いただけでした。キツツキに会えたのがすごくしあわせというばかりです。
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私たちは、木陰を選びながら、興福寺まで歩いて行きました。すると、そこでふと見上げると、キツツキがトントンと木をつついていました。もう写真を撮るのも忘れて、キツツキくんの姿を目で追っていて、奥さんに写真は? と促されて撮りましたが、もう飛び去る寸前でまともには撮れなかった。まあ、初めてキツツキくんが見られて、私はそれだけでしあわせでした。これは私の発見でした!
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興福寺を堪能し、さあ、次はどこへ行こうという前に、大魔神を見つけたので、これは撮らなきゃと当然撮りました。
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この熱さにくらべて、展望フロアにいる人たちは、みんな日陰のベンチでぐったりしていました。この人たちは地元の人なのか、それとも観光に疲れた人なのか、どちらかというと、こちらの常連さんみたいな人たちで、全く動かず、すべてのベンチは占有されていました。仕方がないので、私たちは写真を撮ったら、さっさと帰ってしまった。
でも、ここから見る奈良は、いつもの姿とは少し違って見えて、なかなかステキでした。そして、ものすごいミドリだった。何しろ初夏なのです。
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県庁の建物は、てっきり丹下健三さんだと思っていたのですが、調べてみると違う人でした。けれども、その数年前に丹下さんは香川県庁を作っていて、その影響下の奈良県庁という気がします。
建物の上に載せているトンガリは、これはシカの頭です。なかなか奈良公園の建物としては、シカをシンボライズしたかわいらしい建物です。だから、丹下健三さんではなかったのですね。丹下さんはもっとゴツゴツしてたり、芸術みたいになってたりするんでしょう。よくわからないけれど……。
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かくして私たちは、奈良の北町へ到着。ここの古本カフェ・ちちろさんの前まで来ます。
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1分ほどためらって、まあ、せっかく来たのだからと、思い直して中に入りました。
手前にオジサンが1人、真ん中にお姉さんが1人、奥のテーブルに女の人が何人かいました。すべて埋まっている感じなので、一番手前のテーブルに座り込みました。すると、奥のテーブルから、いかにもそれらしい背の高いお姉さんがあらわれ、メニューとお水を出してくれました。
もうそれだけで私たちは気圧されています。みんな本に目を伏せ、音楽はピアノの曲が延々と鳴っている。少しボリュームが高い気がします。ピアノは最近注目はしていますが、あまりに広く、あまりに深いので、私には何がなんだかわからないのです。たぶん、ショパンじゃないのは確かで、気鋭のピアニストのものすごい選曲なんじゃないでしょうか。とにかく大音量で鳴っている。
私たちは、暑かったし、のどが渇いていたので、ホットじゃなく、アイスで奥さんは紅茶、私はレモンジンジャーのハーブティーにしました。しばらくしたら注文したものが届きますが、古本も見なくちゃ、音楽も聞いてみるか……。
それにしても、さっきからずっとネコが2階でずっと鳴き続けているけど、これはどうなっているの? と思っていたら、豆腐屋さんが回ってきて、お店の人がいくつか購入している。奈良の町は、こうして豆腐の移動販売が生きているようです。
しばらくしたら、2人とも飲み干して、本を見るわけでもなく、のんびりくつろぐわけでもなく、何となく居心地が悪いので、とりあえず次の所、古本屋さんめぐりでもしようかと、カフェを飛び出してしまいます。
あとで奥さんが調べたら、ここのオーナーのオジサンは、河瀬直美さんの映画の主演を頼まれてしたらしいです。河瀬監督は、そうした素人を起用して、尾野真千子さんをすくい上げたり、あれこれしてしまう人なので、ここのオーナーさんも一部の間では有名な人らしい。私たちは何も知らないで、よくしゃべる気さくなオジサンだなと見ていただけでした。
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それから、奈良女子大学の方へ抜けていくときに、初宮神社という小さなお社があって、そこで一箱古本市を開催していて、もうその閉店間際でした。そこへ遅れて登場した出店者の業者さんが、持ってきたダンボールが壊れ、すべての本がどっちらけになっていた。それで1冊100円だから買ってください。旅費にしたいのでお願いしますと訴えかけられ、人だかりの中に私も入って、山頭火の句集と子母沢寛さんの本を買いました。
そこでもうすべての古本力は抜けて、あとはただ歩いていたばかりでした。
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かくしてものすごく暑い日の奈良公園の散歩は終了しました。何も買わず、ただ2人でモサモサ歩いただけでした。キツツキに会えたのがすごくしあわせというばかりです。