……桓武天皇様におすがりする気持ちで画像を貼り付けました。
20時過ぎに帰ってきました。少し遅かった。雨はたくさん降っていて、三重県の南部が一番降っているということでした。台風20号が温帯低気圧になったそうで、風はなくなったけど、雨はたっぷり降らせているんでしょう。
早くどこかへ行ってもらいたいけど、明日もしばらくは雨が降るということでした。土日もずっと仕事で、いつが休みだか忘れておりました。先週は月曜まで休みで、その休みの日に中学校の同窓会があったんでした。
ということは、1週間くらいずっとお仕事していたことになるのかな。それで、やっと明日は休みです。どこか車中泊で旅でもしてみようと考えていましたが、ひとりで考えているから、お天気も悪いし、ポシャッてしまいました。もっと行きたいなら行きたいと公言しないと、希望はかないません。
仕方ありません。明日は1日片付けでもしなくては!
そもそも明日はどうしてお休みでしたっけ?
そうでした。家に帰ってからニュースで「即位礼正殿の儀」というのがあるそうで、下々の者もお休みとする、というありがたい日であるということを思い出しました。
明日、ワールドシリーズとかBSでやってたら、しっかり見るのだけれど、ヤンキースはどうなったのかな。まあ、私はナショナルリーグを応援する人間なので、ワシントン・ナショナルズを応援するんです。明日はワールドシリーズはあるんだろうか。わかりませんねえ。
さて、「即位礼……」というのは、何度聞いても覚えられない、不自然な言い回しの儀式です。これはいったいいつごろからやっているんだろうと、ニュ-スを見ていました。そうすると、今のスタイルになったのは大正天皇の即位の儀式からだそうで、今回が4回めということでした。
それくらい新しい儀式なんだそうです。知らなかった。道理で不自然なネーミングだとずっと思っていました。年号が変わる時に、変てこな名前の思わせぶりな儀式がありますが、あれは明治体制になってから、天皇制というものを国民統合の頂点に置くための工夫がなされてきた時にできたものらしい。
だから、明治天皇もされていない、ものものしい即位の儀式を大正天皇から始めることになったというのです。
日本の伝統的な即位というのは、帝が高御座にお着きになる行事だったそうです(本当にそうなんだろうか? 南北朝とか、平安末とか、室町時代とか、やってたんだろうか? 疑問ですね)。帝様だけがそのお席にお着きになる。それを儀式めかして厳かに行う。手本にしたのはどこの国なんだろう。中国なんだろうか。とにかく、そういう儀式があった。
近代国家である日本は、帝だけがお席に座るのではなく、皇后さまも一緒にお席にお着きになるよう、西欧など諸国の王制でもやっているようなことをしなくてはと、旦那さん(キング)と奥さん(クイーン)セットで位に就くというのを始めたんだそうです。普段はそのお座席家具のセットは京都御所に保管してあるそうですが、今回30年ぶりということで、東京に持ち込まれて、組み立てられたということでした。
まだ4回しかやっていない儀式なんですね。古いようで新しい形のようです。だから、それらしい「正殿の儀」とかいう名前が付けられているけど、付け焼刃のネーミングだったのかもしれません。名前を聞いた時の不自然な感じは、歴史の浅さからきていたんですね。
この明治体制はいつまで続くのか、あと百年・二百年続くとは思えないので、その時にはその時の儀式でも生まれているかもしれない。ゴテゴテした名前はやめてもらいたいなあ。
朝のニュースでは、NHKの世論調査で、国民の天皇制に対する親しみ度アップのニュースがありました。毎月くらいにテーマを決めてやっている世論調査。三千足らずの固定電話に電話して、通じたらコンピューターにすべてしゃべらせて、プッシュボタンを押させるスタイルでやっているものですが、半分以上の人はすぐにアホらしくて電話を切ってしまいます。
最後まで付き合うのは、根気強いお年寄りとか、興味本位の人とか、真面目な方とか、そういう人たちで、結局千人ほどから得られたデータをもとにして「ニュースを作って」います。
それによると、十年前は、天皇制に親しみを感じているのは六割くらいだったそうです。十年が経過して、上皇様ご夫妻が努力して、国民の支持率が七割になったというニュースでした。
明日に備えての今朝のニュースであったわけで、戦略としては練りに練った戦略ではあったのでしょう。
国民は、「ああ、そんなものか」と思ったり、「美智子様が頑張ったから、当然じゃないの」と思ったり、「今の天皇様ご夫妻も、社会にどんどん出て行って、たくさん触れ合ってくれなきゃ、今度は下がるよ」と不安視したり、いろんな思惑が動く数字のようです。
でも、メディアがどんなに作ろうとしても、政府関係者が盛り上げようとしても、宮内庁がハラハラしても、六割から七割の数字は続いていくでしょう。
これから、天皇制が「千代に八千代に」続いていくには、政府の無理な盛り上げは要らない気がする。もっと自然な形の皇室というのを模索していただけたらと思うのです。ごく普通のご家庭が、国民の統合としてごく普通につながり、日本各地に統合として出歩いていただく、それだけでいい気がするんです。
それにしても、NHKって、いつも後追いの世論調査しかしないです。ある程度かたまっているものを確認するために、予算を使って、裏付けを取るための数字を得ようとしている。
すべてが決まり切っていることしか調べない。積極的な議論を呼ぶことは調べないのです。
例えば、
質問 原発はこのまま国内の施設を使い続ける方がいいですか?
質問 沖縄の辺野古基地は建設を進めていくべきですか?
質問 北方領土の問題を解決しないかぎり、ロシアとは平和条約を結ばない方がいいですか?
質問 国民の借金はこのままどんどん増やすべきですか?
質問 女性の天皇を考えるべきですか?
とか、国民の議論を呼び起こすことの問題提起となる世論調査はしないのです。
当たり前です。そんな出しゃばったことをしたら、怒られてしまうし、運営幹部がみんな切られてしまうでしょう。妥協に妥協を重ね、折り合いを付けながら、当たりさわりのないところで勝負していく。政治の根幹にかかわることは、歴史的なものならいいけど、ホットなものは触れない。これが基本です。無味乾燥なニュースだけど、お決まりとしてのニュースを「作って」いくことでしょう。
そういうふうになっている。それは仕方のないことです。
ああ、桓武天皇さまは、最澄・空海のツートップをどんなふうに見ておられたでしょう。聖武天皇さまは、大仏様をどうして作ろうと思われたんでしょう。聖徳太子様は、法隆寺に何を夢見ておられたことか。
いろんな天皇様がいて、いろんな考え・宗教に理解を示し、国の在り方を模索された天皇様はたくさんいました。そうした時代と比べると、今の皇室の方々はとても不自由で、堅苦しく、あれこれ規定され、ワクを制限されている気がします。宗教だって、制限をされている。ある意味とてもご不幸なことです。精神の自由は保障されていないのです。
明治の政治システムにのっかっている今の天皇制は、いつか変化を余儀なくされる時が来ると思うけれど、もう少し皇室の方々の自由を保障し、政府のサポート・尻ぬぐいをさせられる形から飛び出していただかないといけないなと思います。
昭和天皇さまも、結局はその役回りでした。戦争を引き起こした政府の人々は、ほんとに無責任で、自分本位で、自分の利益しか追求しないので、困ってしまいます。
江戸や安土桃山のころの皇室に戻れたらいいけど、なかなか難しいです。
明日、現天皇様ご夫妻は正式にご即位されるそうです。私どもはご夫妻のお幸せをお祈りはしています。そうすると、今度は天皇様がまた全国をおまわりになって、私どもを癒してくださるという、持ちつ持たれつの関係(恐れ多いことですが)ができあがるのでしょうか。
もっと自然な天皇と国民の関係を、国民自らが考え、選び、議論し、作り上げていきたいと私は思うのですが、それは不遜な考えかもしれません。
せっかく、平成天皇ご夫妻が努力して築き上げてきたものが壊されてしまったら、それは大変だなと思うのです。