とまぴーSTYLE

よく食べ、よく笑い、よく遊び♪
元気が一番!
今日も豊かな一日になりますように・・・

「通天閣」

2013-09-28 08:58:38 | 


西 加奈子(著)


     通天閣近くに暮らす中年男「俺」と、
     若い女性「私」の生活が交互に描かれていく。



この世界には多くの人々が暮らし、生きている。
その生き方は様々であって、何が正解か誰にもわからない。
私の生き方だって、他人から見れば不可解なものかもしれないし。
でも、私だけじゃない、私だって皆だって一生懸命生きている。

辺りをどう見回しても、
私の周辺には作中人物誰一人として心当たりがない。
私が気づかないだけかもしれないのだが。

最初のうちは眉間にしわを寄せながら、ではあったが、
次第に読み進めるうちに、段々と彼らとの違和感が薄れ始め、
それどころか、身近な存在に変わっていくのだ。
彼らが小説から飛び出し、生身の人間になっていく。
体温を感じ始める。

ぐだぐだで、享楽的で刹那的で、破壊的で。。。
日々を生きる、だなんてきれい過ぎる言葉だと、
日々をこなす、が、しっくりくる。
自分のことしか考えずに生きている。
愚痴を言い、悪態ついて暴れまわる。
でも、そうそう、わかるな~って共感してしまう。
嫌いではなく、共感。

型にはまった毎日から抜け出せる作品。
こんな生き方あるのかな。
あるのだよ。
ありなんだ。






コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする