男はつらいよの作品に序列をつけるってのはやっぱり野暮ですね。
第10作「寅次郎夢枕」でシリーズ最高傑作と銘打ったことを少し後悔しています。(あーしなければ良かった。。。と)
それではここまでの作品を思い入れがあるものから振り返ってみることにします。決してどれがNo.1とかいうつもりはないです。
その前に・・・
まず、何といってもこの放送が開始される前に、山田洋次監督が出演されて、ゲスト(熊さん、村井国夫さん、ケントデリカットさん、モンキッキーさんがゲストだったとおもいます)と語った特別番組のことを書かして下さい。この時はまだ私もブログというものを良く知らない時期でした。まぁそんなことはどうでもいいのですが、ここでモンキッキーさんの質問(どのくらい渥美さんのアドリブがあるのか?)に山田洋次監督が答える「渥美さんにはアドリブはない」といった内容に驚きでした。
いくつかの作品で、特に下條正巳さんや賠償千恵子さんの笑いっぷり、噴き出しが余りにも自然で、「ここは渥美清さんのアドリブかな?」と思っている場面がかなりあったのですが、山田監督はこれをきっぱり否定したのです。
あのけんかっぱやそうなセリフ回しや間合い、節を、このおとなしそうな監督が脚本化したってのも驚きでしたが、渥美清さんはそれを忠実に再現してしまう怪物のような役者であったのか、、、という思いを抱きました。
役者というのはそういうものなのですね。アドリブが多くできるから優秀な役者だというのではなく、実在しているかと思わせるほど自然に画面の中に息づき、監督の思っている通りに演じ切るってのが名優なのだという思いがした瞬間でした。
それでは作品の感想の方へ。
まず第15作「寅次郎相合い傘」、浅丘ルリ子との第2作目。
この作品を見返して、当時の思いがまざまざと蘇りました。
「もう寅さんは結婚できない・・・」、確かにそう思ったことを思いました。
当時15作と16作を見る間隔がしばらく開いたと思います。
この作品を楽しい作品と書きましたが、ある意味ではとても悲しい作品でした。
この中でリリーと寅さんが相合い傘で駅から帰ってくる時に傘をくるくるっと回すのがどうも唯一、渥美清さんがしたアドリブ演技だそうですね。
そして第16作「柴又立志編」。
恋愛に印象が余り残っていない回ではありますが、寅さんがまだ若く一文無しの時に豚汁とご飯をご馳走してくれたお雪さんに、寅さんが何年もの間恩返しをしていたというエピソードは胸を打ちました。
第8作「寅次郎恋歌」。葬式での寅さんの悪態も秀逸ですが、何といっても志村喬さん演じる博のお父さんから寅さんへと伝えられる「りんどうの花」の語りを何度も聞きたくなる作品ですね。寅さんがお金に困っているマドンナに、応えられない自分というお別れもシリーズが単なる笑いでなくなり始めた印象を与える作品です。
第5作「純情編」。何といっても宮本信子演じる宿代もなく寅さんに助けられる赤ちゃんを連れた女性に、寅さんが語る「もし妹に親切にした人が、妹の体が目当てだと知ったら、俺はそいつを殺すよ」というセリフ。
いつもヤクザ稼業だけど、ユーモラスでおっちょこちょいな寅さんから出たなんとも凄味のあるセリフでございました。
第18作「純情詩集」。マドンナとの死別という結末ですが、忘れてはいけないのが、この回旅の一座へのご接待。寅さんはこの一座に「先生、寅次郎先生」と呼ばれているから、そのままにしておけないというエピソード。
翌日無銭飲食で警察に厄介になっている時には「うなぎ」を食べて、署員にコーヒーを奢り、それを全て迎えに来たさくらに払ってもらうという情けない話はこの回でした。
そして第19作「寅次郎と殿様」では、私が待ち望んでいたあのセリフが聞けました。今は民主主義の時代ですよという博に対し、「殿様は民主主義がきらいなの」というと、「好き嫌いの問題じゃない。時代の流れです」と言い返されて一言。「俺はうなぎ大嫌いだけど、お前はうなぎ大好きじゃないか!これも時代の流れか?時代の!」とやり込める寅さん。このセリフ大好きです!!この回だとはすっかり忘れてました。でも18作では警察でうなぎ食べてますよ!寅さん!!
第4作。「新・男はつらいよ」。
何といっても寅さんが競馬で大儲けして、とらやの叔父叔母とハワイに行く、しかも出発直前に旅行代金を持ち逃げされておじゃんという笑うに笑えないエピソードが最高!森川信さんと寅さんがマドンナを笑わせようとするところも面白い作品です。
第17作、「夕焼け小焼け」。何度見ても、苦労人芸者のぼたんが、それでも明るく生きていく。寅さんの放っておけないという気持ちに、やっぱり泣き崩れてしまうという絶妙な部分は秀逸です。そして見所満載の楽しい作品でもあります。
静観先生は龍野に行ったのは、本当は絵を描くつもりがなかったのですね。たぶん・・・。
第10作は記事の方を見てください。お千代さんとは本当に残念でした。やっぱり大好きな作品です。
寅次郎夢枕
第14作「寅次郎子守唄」。思い入れは強いです。自分の葬式の構想は素晴らしいと思います。
ギャグは1作目に似ていますね。出て行こうとする寅さんをみんなが止めてしまうという一件は1作目と共通です。
第7作。奮闘編ではエンディングに心配したさくらと旅先で再会するという面白い終り方が印象に残りました。
長々と書いてきましたが、そろそろこの辺で。
また来年もできるだけ事前に記事を書いていきまーす!
またどうぞ宜しくお願いいたしまーす!
第10作「寅次郎夢枕」でシリーズ最高傑作と銘打ったことを少し後悔しています。(あーしなければ良かった。。。と)
それではここまでの作品を思い入れがあるものから振り返ってみることにします。決してどれがNo.1とかいうつもりはないです。
その前に・・・
まず、何といってもこの放送が開始される前に、山田洋次監督が出演されて、ゲスト(熊さん、村井国夫さん、ケントデリカットさん、モンキッキーさんがゲストだったとおもいます)と語った特別番組のことを書かして下さい。この時はまだ私もブログというものを良く知らない時期でした。まぁそんなことはどうでもいいのですが、ここでモンキッキーさんの質問(どのくらい渥美さんのアドリブがあるのか?)に山田洋次監督が答える「渥美さんにはアドリブはない」といった内容に驚きでした。
いくつかの作品で、特に下條正巳さんや賠償千恵子さんの笑いっぷり、噴き出しが余りにも自然で、「ここは渥美清さんのアドリブかな?」と思っている場面がかなりあったのですが、山田監督はこれをきっぱり否定したのです。
あのけんかっぱやそうなセリフ回しや間合い、節を、このおとなしそうな監督が脚本化したってのも驚きでしたが、渥美清さんはそれを忠実に再現してしまう怪物のような役者であったのか、、、という思いを抱きました。
役者というのはそういうものなのですね。アドリブが多くできるから優秀な役者だというのではなく、実在しているかと思わせるほど自然に画面の中に息づき、監督の思っている通りに演じ切るってのが名優なのだという思いがした瞬間でした。
それでは作品の感想の方へ。
まず第15作「寅次郎相合い傘」、浅丘ルリ子との第2作目。
この作品を見返して、当時の思いがまざまざと蘇りました。
「もう寅さんは結婚できない・・・」、確かにそう思ったことを思いました。
当時15作と16作を見る間隔がしばらく開いたと思います。
この作品を楽しい作品と書きましたが、ある意味ではとても悲しい作品でした。
この中でリリーと寅さんが相合い傘で駅から帰ってくる時に傘をくるくるっと回すのがどうも唯一、渥美清さんがしたアドリブ演技だそうですね。
そして第16作「柴又立志編」。
恋愛に印象が余り残っていない回ではありますが、寅さんがまだ若く一文無しの時に豚汁とご飯をご馳走してくれたお雪さんに、寅さんが何年もの間恩返しをしていたというエピソードは胸を打ちました。
第8作「寅次郎恋歌」。葬式での寅さんの悪態も秀逸ですが、何といっても志村喬さん演じる博のお父さんから寅さんへと伝えられる「りんどうの花」の語りを何度も聞きたくなる作品ですね。寅さんがお金に困っているマドンナに、応えられない自分というお別れもシリーズが単なる笑いでなくなり始めた印象を与える作品です。
第5作「純情編」。何といっても宮本信子演じる宿代もなく寅さんに助けられる赤ちゃんを連れた女性に、寅さんが語る「もし妹に親切にした人が、妹の体が目当てだと知ったら、俺はそいつを殺すよ」というセリフ。
いつもヤクザ稼業だけど、ユーモラスでおっちょこちょいな寅さんから出たなんとも凄味のあるセリフでございました。
第18作「純情詩集」。マドンナとの死別という結末ですが、忘れてはいけないのが、この回旅の一座へのご接待。寅さんはこの一座に「先生、寅次郎先生」と呼ばれているから、そのままにしておけないというエピソード。
翌日無銭飲食で警察に厄介になっている時には「うなぎ」を食べて、署員にコーヒーを奢り、それを全て迎えに来たさくらに払ってもらうという情けない話はこの回でした。
そして第19作「寅次郎と殿様」では、私が待ち望んでいたあのセリフが聞けました。今は民主主義の時代ですよという博に対し、「殿様は民主主義がきらいなの」というと、「好き嫌いの問題じゃない。時代の流れです」と言い返されて一言。「俺はうなぎ大嫌いだけど、お前はうなぎ大好きじゃないか!これも時代の流れか?時代の!」とやり込める寅さん。このセリフ大好きです!!この回だとはすっかり忘れてました。でも18作では警察でうなぎ食べてますよ!寅さん!!
第4作。「新・男はつらいよ」。
何といっても寅さんが競馬で大儲けして、とらやの叔父叔母とハワイに行く、しかも出発直前に旅行代金を持ち逃げされておじゃんという笑うに笑えないエピソードが最高!森川信さんと寅さんがマドンナを笑わせようとするところも面白い作品です。
第17作、「夕焼け小焼け」。何度見ても、苦労人芸者のぼたんが、それでも明るく生きていく。寅さんの放っておけないという気持ちに、やっぱり泣き崩れてしまうという絶妙な部分は秀逸です。そして見所満載の楽しい作品でもあります。
静観先生は龍野に行ったのは、本当は絵を描くつもりがなかったのですね。たぶん・・・。
第10作は記事の方を見てください。お千代さんとは本当に残念でした。やっぱり大好きな作品です。
寅次郎夢枕
第14作「寅次郎子守唄」。思い入れは強いです。自分の葬式の構想は素晴らしいと思います。
ギャグは1作目に似ていますね。出て行こうとする寅さんをみんなが止めてしまうという一件は1作目と共通です。
第7作。奮闘編ではエンディングに心配したさくらと旅先で再会するという面白い終り方が印象に残りました。
長々と書いてきましたが、そろそろこの辺で。
また来年もできるだけ事前に記事を書いていきまーす!
またどうぞ宜しくお願いいたしまーす!