日本の原風景を残すというのが、テーマのようだったのだが、私の目当ては、寅二郎恋歌を帝釈天題経寺内で観るという…。もちろん倍賞千恵子さんをお目にかけることが最大の目的でした。
私が思う寅さんの最大の理解者であり、映画を通じて一番の裏マドンナは妹の櫻(二貝の女は木にかかるを正式に)だと考えている。
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早朝の練り歩きを終えて家を出た。雨が振りしきる中、題経寺に着くと、既に列が出来ていた。LOGOSの
携帯の椅子を出して折り畳みの傘を差す。
開場まで列に並んでもらいますということを言われていたので、覚悟はしていたのだが、抱え込んだリュックの影響で腰・背中が痛みを持っている。
本当に待たせるの?という列の中からのクレームに応えて、急遽整理券が配られて解放された。
ロケ地になった地域からの出店がある一画で地域自慢を聴き、松戸のネギを購入した。新島・式根島のパンフももらった。
入場前に戻ると、先ほど前後に居た人たちと言葉を交わす。もう整理券はないのか?と女性が残念がっている…。私は30番目の入場だった。
入場すると、19番目で大変だったというご婦人の横に席を取った。ほぼ正面・前から3列目。男の人が多いのねというので、「男はつらいよ」ですから…というと、女もつらいわよ!老人もつらいわ!と言い返されて言葉に窮した。
題経寺の鳳翔会館で、寅さんを観るという、異体験をさせて頂いた。全ての場面は覚えているし、台詞も全て事前に思い出せているのに、観客全員で笑って、泣いて、拍手で映画の鑑賞をするというすごい体験だった。
女性の寅さんファン代表3人が出てきて、倍賞千恵子さんが出てきて、質問に応えるというトークセッションが開かれた。
倍賞千恵子さんの、「どうしてこんないい人をフッちゃうんだろ?みんなは?」というのがおにいちゃんに対する感覚だったそうだ。
質問は衣裳や髪形という女性ならではの質問が多かったが、寅さんのマドンナとして登場するのであったらどういう役で出演(で)たかったか?という質問に、「(岸本加世子さんが演じたであろう)女版の寅さん、旅しながら行商する女性、で寅さんには振ってほしい」ということだった。
「他にはありませんか?」と問いかけられたが誰も答えない…。
私にはある、もしも倍賞さんがマドンナを演じるなら、やはり下町、柴又の女性を演じてほしい。
旅先ばかりではなく、寅さんの幼馴染や友達の妹という設定はいくつもある。
実は一番残念なマドンナは岸恵子さん演じる、デベソの妹。
何が残念って、寅さんが自分に思いを寄せていることを分かった上で、「それは困るのよ」と面と向かって断るという台詞が出てしまうのである。
もしももう一度だけ撮り直してほしい作品があるとすれば、私の寅さんの最終場面である。私は46作目以降を未だに観ていないので、全ての作品をというのはどうしても出来ないのであるが、私が見た中ではあの設定に近いもの、川魚屋の女将(後期の作品なら)でも、鰻やの女給さんでもいいので、柴又で出会って喧嘩もするが、手を取り合って笑い合う、本来のいつものさくらのような役柄を倍賞千恵子さんには演じて、あの作品の最後の場面を覆してもらいたかった。
まぁ女性目線のセッションなので、髪型の後頭部にいつも餡子が入っていたという秘話にはビックリだったが、男性ファンのさくらへの想いとか、寅さんとさくらとのやりとりで好きな場面(断然警察に迎えにいくさくらさん、怒ったさくらを「諏訪さくらさん」と呼びかけるところ)とかをみんなから聴きたかったかな。
まぁ題経寺で男はつらいよを観れただけでも涙ものでしたが、来年も出来たら参加させてもらいたいなと思ったのでした。
あぁ、そうだ、ロケ地というより「終」の字の遠景の場所、おそらくロケ地と被るところもあるでしょうが、そこの現在の風景を撮り集めてもらいたいかな…。あの風景には、ちょっとこう撮りたい、フィルムに残したいというこだわりがよく出ているような気がしています。
蛾次郎コスプレの息子さんを連れたお母さんの隣りでした。