怪我9日目―。
ときどき、上半身全体に痺れが走る。
でもイヤな痺れではない。
とんだ勘違いの可能性もあるが、なんとなく「骨、再生中」みたいな感じがして、あぁ体内でいろいろ活動がおこなわれているのだなぁと実感し、安心するのであった。
きょうの再録は、「悪趣味」な映画。
好きは大好き、嫌いは大嫌いというセレクションである。
では、どうぞ。
どう頑張っても「いわゆるフツーの映画」を撮ることが出来ない監督による「悪趣味な映画」を特集してみたい。
誤解がないように前置きをしておくと、悪趣味イコール駄作、、、ではない。
きょう挙げた10本の映画は「なんらかの意味において」観る価値がゼッタイにあり、
もっといえば、趣味はいいが中身のない「そこそこ売れた映画」をアクビしながら一度観るのであれば、刺激に満ちたこれらの作品を「顔を背けながら」二度触れたほうが人生充実するかもよ、、、と。
自分だって、美しいものが大好きだ。
それはたぶん自分が身も心も美しくないからだが、
たとえば、じゃあなぜ美少女の顔がザーメンで汚れまくる「ぶっかけ」AVが好きかというと、美醜「ごった煮」の過程で表現される「その倒錯性」にあるわけで。
鼻まで塞がれて息出来ない!
ハァハァ、、、みたいな。
引くなら引いておくれ、しかし「ぶっかけ」の支持は高く、いまでは日本AVを代表する一ジャンルとなっている。
「ぶっかけ」と悪趣味映画をいっしょくたに論じるのも「また」悪趣味のような気もするけれど。
「こういうのは苦手」「一生観たくない」
というひとが居るのは分かる。
そういうひとのほうが多いだろうし、そのほうが健全ではある。
あるが、その存在そのものを否定してほしくない。
これがあるから生きていけるひとが居るし、こういうものしか創れないひとも居る。
無菌状態の映画館なんて、面白くもなんともない。
スクリーンから汚物を投げまくる映画のパンク精神は、きっと我々の人生に「黄土色」の彩りを与えてくれるはずだ。
(1)『ピンク・フラミンゴ』(72)
もはや伝説と化した悪趣味映画の金字塔。
「下品チャンピオン」を決めるという筋自体も素敵にくだらないが、主演のディヴァインがとにかく強烈。
この映画を観たあとにマツコ・デラックスの番組に触れたら、彼女が可愛らしく見えるくらい。
(2)『ムカデ人間2』(2010…トップ画像)
意外な好評を受けた(?)前作は「まだ」正視に耐えられたが、バージョンアップされた続編は創るほうが観るほうを選んだような悪趣味のオンパレード。
口と肛門を繋げるという発想がどうかしているわけでね、
オランダあたりが本気出すと、恐ろしいものが出来上がる―これ、常々思っていたこと。
(3)『クラッシュ』(96)
オスカー受賞作ではなく、カナダの変人クローネンバーグによる近未来映画のほう。
交通事故で性的快楽を得る男女が「わざと」事故を起こす倒錯の世界を描く。
事故った車中でセックスを始める―しかも、すべてが後背位―展開に、なんとなく分かる・・・と思ったひと、居なかった?
現実の交通事故は悲惨そのものだが、そこをひっくり返してみせることこそ、映画の本分―と、クローネンバーグは信じている。
そこが感動的。
(4)『悪魔のしたたり』(74)
ハダカと拷問、それだけの映画。
しかしクライマックスに用意されている驚愕の展開―は、ここには記さないが、ある意味でハッとするものであり、制作者たちの本気度が伝わってきた。
これ、カルトムービーが好きと公言する女子と一緒に観たが、彼女は大爆笑していたよ笑
(5)『イレイザーヘッド』(76)
リンチの映画から一本。
このリストのなかだと「むしろ」地味な感じがするのが笑えるが、貧乏だったリンチ青年はチマチマチマチマ、10年を要してこの怪作を創りあげた。
結果、悪趣味をアートにまで高める―と強引に結ぶことも出来るが、
どんな映画? と問われても、消しゴム男の悪夢・・・としかいえない。
(6)『ソドムの市』(75)
もはやクラシック。
思いつくかぎりの変態行為が活写されている。
変人として名高いパゾリーニ最後の作品として、一時期、このひとの命日に繰り返し鑑賞、その度に気持ちが悪くなった。
そういう意味では、悪趣味映画へのリトマス試験紙になるのかもしれない。
(7)『フリークス』(32)
悪趣味映画の原点。
古い作品ゆえ、現在ではその衝撃度は「弱め」かもしれないが、悪意というだけでは片付けられない、その鋭い批評性は「未だ効果絶大」だと思う。
だからこそリバイバル時のコピーは、「この映画は、あなたの心を写す鏡です」。
(8)『吐きだめの悪魔』(86)
サイテーな邦題だが、ポスターもチラシもビデオパッケージもサイテーで、誰が観ようと思うのか・・・と。
しかし当時21歳だったという新人監督の才気は「一瞬」爆発、切り取られたイチモツでフットボールを始めるという奇跡のシーンを生み出した。
(9)『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』(76)
日本映画から一本。
残酷なシーン(牛裂き!)満載の前半と、なぜか陽気な後半。
この対比が「なんの効果も生み出さない」というオチにこそ注目してほしい。
(10)『アタメ』(89)
ポップなアルモドバル映画から一本。
いわゆるSMの世界だが、ポップゆえに見易く、これは悪趣味映画の入門篇になるかと。
だからお薦めは、10位から順に挑戦し、最後の最後に「ディヴァイン」と対峙してみよう。
人生が、ちょっとだけ変わるかもしれない。
※じゃあ口直しに、ディズニーによるフラミンゴを。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『未定』
ときどき、上半身全体に痺れが走る。
でもイヤな痺れではない。
とんだ勘違いの可能性もあるが、なんとなく「骨、再生中」みたいな感じがして、あぁ体内でいろいろ活動がおこなわれているのだなぁと実感し、安心するのであった。
きょうの再録は、「悪趣味」な映画。
好きは大好き、嫌いは大嫌いというセレクションである。
では、どうぞ。
どう頑張っても「いわゆるフツーの映画」を撮ることが出来ない監督による「悪趣味な映画」を特集してみたい。
誤解がないように前置きをしておくと、悪趣味イコール駄作、、、ではない。
きょう挙げた10本の映画は「なんらかの意味において」観る価値がゼッタイにあり、
もっといえば、趣味はいいが中身のない「そこそこ売れた映画」をアクビしながら一度観るのであれば、刺激に満ちたこれらの作品を「顔を背けながら」二度触れたほうが人生充実するかもよ、、、と。
自分だって、美しいものが大好きだ。
それはたぶん自分が身も心も美しくないからだが、
たとえば、じゃあなぜ美少女の顔がザーメンで汚れまくる「ぶっかけ」AVが好きかというと、美醜「ごった煮」の過程で表現される「その倒錯性」にあるわけで。
鼻まで塞がれて息出来ない!
ハァハァ、、、みたいな。
引くなら引いておくれ、しかし「ぶっかけ」の支持は高く、いまでは日本AVを代表する一ジャンルとなっている。
「ぶっかけ」と悪趣味映画をいっしょくたに論じるのも「また」悪趣味のような気もするけれど。
「こういうのは苦手」「一生観たくない」
というひとが居るのは分かる。
そういうひとのほうが多いだろうし、そのほうが健全ではある。
あるが、その存在そのものを否定してほしくない。
これがあるから生きていけるひとが居るし、こういうものしか創れないひとも居る。
無菌状態の映画館なんて、面白くもなんともない。
スクリーンから汚物を投げまくる映画のパンク精神は、きっと我々の人生に「黄土色」の彩りを与えてくれるはずだ。
(1)『ピンク・フラミンゴ』(72)
もはや伝説と化した悪趣味映画の金字塔。
「下品チャンピオン」を決めるという筋自体も素敵にくだらないが、主演のディヴァインがとにかく強烈。
この映画を観たあとにマツコ・デラックスの番組に触れたら、彼女が可愛らしく見えるくらい。
(2)『ムカデ人間2』(2010…トップ画像)
意外な好評を受けた(?)前作は「まだ」正視に耐えられたが、バージョンアップされた続編は創るほうが観るほうを選んだような悪趣味のオンパレード。
口と肛門を繋げるという発想がどうかしているわけでね、
オランダあたりが本気出すと、恐ろしいものが出来上がる―これ、常々思っていたこと。
(3)『クラッシュ』(96)
オスカー受賞作ではなく、カナダの変人クローネンバーグによる近未来映画のほう。
交通事故で性的快楽を得る男女が「わざと」事故を起こす倒錯の世界を描く。
事故った車中でセックスを始める―しかも、すべてが後背位―展開に、なんとなく分かる・・・と思ったひと、居なかった?
現実の交通事故は悲惨そのものだが、そこをひっくり返してみせることこそ、映画の本分―と、クローネンバーグは信じている。
そこが感動的。
(4)『悪魔のしたたり』(74)
ハダカと拷問、それだけの映画。
しかしクライマックスに用意されている驚愕の展開―は、ここには記さないが、ある意味でハッとするものであり、制作者たちの本気度が伝わってきた。
これ、カルトムービーが好きと公言する女子と一緒に観たが、彼女は大爆笑していたよ笑
(5)『イレイザーヘッド』(76)
リンチの映画から一本。
このリストのなかだと「むしろ」地味な感じがするのが笑えるが、貧乏だったリンチ青年はチマチマチマチマ、10年を要してこの怪作を創りあげた。
結果、悪趣味をアートにまで高める―と強引に結ぶことも出来るが、
どんな映画? と問われても、消しゴム男の悪夢・・・としかいえない。
(6)『ソドムの市』(75)
もはやクラシック。
思いつくかぎりの変態行為が活写されている。
変人として名高いパゾリーニ最後の作品として、一時期、このひとの命日に繰り返し鑑賞、その度に気持ちが悪くなった。
そういう意味では、悪趣味映画へのリトマス試験紙になるのかもしれない。
(7)『フリークス』(32)
悪趣味映画の原点。
古い作品ゆえ、現在ではその衝撃度は「弱め」かもしれないが、悪意というだけでは片付けられない、その鋭い批評性は「未だ効果絶大」だと思う。
だからこそリバイバル時のコピーは、「この映画は、あなたの心を写す鏡です」。
(8)『吐きだめの悪魔』(86)
サイテーな邦題だが、ポスターもチラシもビデオパッケージもサイテーで、誰が観ようと思うのか・・・と。
しかし当時21歳だったという新人監督の才気は「一瞬」爆発、切り取られたイチモツでフットボールを始めるという奇跡のシーンを生み出した。
(9)『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』(76)
日本映画から一本。
残酷なシーン(牛裂き!)満載の前半と、なぜか陽気な後半。
この対比が「なんの効果も生み出さない」というオチにこそ注目してほしい。
(10)『アタメ』(89)
ポップなアルモドバル映画から一本。
いわゆるSMの世界だが、ポップゆえに見易く、これは悪趣味映画の入門篇になるかと。
だからお薦めは、10位から順に挑戦し、最後の最後に「ディヴァイン」と対峙してみよう。
人生が、ちょっとだけ変わるかもしれない。
※じゃあ口直しに、ディズニーによるフラミンゴを。
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明日のコラムは・・・
『未定』