このテンペラ画を描こうと思ったきっかけになった画家さん、群馬直美さんは、ひたすら葉っぱだけを描いてらっしゃる画家さんです。数年前の個展にでかけたときに、売ってらっしゃる様子がなかったのでおききしたところ、自分のやっているこの仕事は、バラバラにしてはいけないと思って、売らないことにしたということでした。私は、群馬さんのファンになってすぐのころ、一枚購入しています。「貴重な原画保有者の一人です」と言っていただきました。いつか、美術館ができたらいいなと思うほどです。『木の葉の美術館』『木の実の宝石箱』という画集もステキです。
しかし、こうやって古いとはいえ、自分が描いたものを改めて見ると、また描きたくなってしまいます。でも、絵の具を出す、描く、しまう、このエネルギーを考えたら、「文章に全力投球しろよ」と思い直します。これらの絵は、一筆一筆、面相筆で時間をかけて描いているので、勢いのある筆遣いをするタイプの絵は描けないのです。「童子」主宰の辻桃子氏の描く絵は、まさに筆に勢いのある俳画です。
それに、描きたいけど描けない。というと、童話でも「よく書けないなんて100年早い」とスランプ的に言う方に先輩作家が叱咤する場面があります。私もそれはそう思うわけで、書けないということはなく、(厳密にないとはいえませんが)でもどんなものでも《書かずにはいられない》、です。(下手な自分に落ち込むこともありますが)これが絵の場合はそうではなく、気持ちの中で「ああ、描けたらいいな」と思うだけで、実際には描かないのだから、雲泥の差。(そして描くと、ヘタさ加減にもっと落ち込む)自分にはやはり文章のほうなんだなと、思うわけです。
文章も、日の目を見ているのは、ごく一部です。大半は、お蔵入り。それでも書きたい、書かずにはいられないという自分を信じたいと思います。 このブログに関しても、いつかネタがきれるのでは? と思いつつ、楽しんで書いています。この力と時間を物語に向けたら? という内なる声もなきにしもあらずですが、書いたものをどなたかが読んでくださるというのは、嬉しいものです。
それにしても 予想以上の方に見ていただいています。先日の童子全国大会でお会いした方からも、思いがけず「ブログ読んでます」と言っていただき、感激しました。島根のMさん、ありがとうございました。皆様ありがとうございます。今後も、よろしくお願いいたします。