秋田の俳人石井露月については、先日書きました。
この本は、露月と正岡子規のことを小説として書いたものです。
著者の工藤さんは、露月の住居からほど近いところにお住まいの方です。学校の先生をしながら、その後退職されてからも、長く故郷の俳人露月を長く研究されています。他にも露月についての著作はあるのですが、こちらは小説として書いたという点で、とても読みやすくなっています。
ちょこっと調べたくらいで書ける代物ではありません。
露月が残した日記、子規や虚子との手紙。俳句。全てに目を通し、咀嚼した上でのこの本です。
工藤さんの妹さんは、露月の本家へ嫁がれていて、今は無人の露月の住居の管理をしてもいらっしゃいます。実は先日、雄和図書館の露月資料室と住居をご案内くださったのが、こちらのご兄妹。
その本家の裏には高尾山という300メートルちょっとの山があります。この小説にも、露月は碧梧桐や虚子と登ったことを書いています。
秋立つかと雲の音聞け山の上 露月
登りたい。
このような地元の研究家の方の存在。尊敬します。
石井露月という俳人が培った俳句が、今秋田の俳壇につながっているのでしょう。