fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『中くらいの幸せの味』みとみとみ作・岡田千晶絵(国土社)

2019年11月06日 | 本の紹介
       中学年以上

 みとみとみさんのデビュー作です。おめでとうございます!!

 盛太郎の家は、大幸軒という中華料理店だ。お父さんが、配達中の事故で入院し、大ピンチになる。なかなか店の手伝いをしない盛太郎だったが、幼なじみのすずが、やってきて手伝い始める。
 やがて、盛太郎もお客さんの注文を聞いたりと店で働きはじめる。それに伴い、商店街の老人化や他のお店の問題を知る。

 今、日本中でおきている地元商店街の危機。乗り越えているところもあれば、シャッター街となっているところもある。こんなふうに子どもも一緒に取り組んでいるところは、なかなかないかもしれない。ないかもしれないが、この本にはそこが書かれている。それは、希望だ。子どもの力、人と人とのつながりが持つ力が、ぎゅっとつまった一冊だ。

 中くらいの幸せの味。長続きするには、中くらいがいいのかも。