fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく妖怪ツアー オンラインゲーム編』佐々木ひとみ・野泉マヤ・堀米薫(新日本出版社)

2021年07月21日 | 本の紹介
               

 宮城県在住作家である三人、佐々木ひとみさん・野泉マヤさん・堀米薫さんによる「妖怪ツアー」シリーズ、第四弾が出ました!
 今回はオンラインゲーム編。
 実は第三回で、完結したと思っていたので、わー、続くんだ! すごい! となりました。
 そして、今回オンラインゲームということで、なるほど~~。妖怪も、過去6×3で18出ているわけですが、東北にはまだまだいます! 1巻では、カッパやナマハゲなどメジャーな妖怪だったのが、どんどん、知らない妖怪に出会えているのも、楽しい。

 一気に読みました! 

 「おめでとうございます! あなたは、みちのく妖怪ハンターに選ばれました!」
 このようなメッセージを受け取った子ども達は、その妖怪を捕獲するゲームをするため、現地へ行くのです。ここが、みそですね。オンラインゲームなんだけど、秋田なら、秋田へ。岩手なら岩手で、その事件は起こるのです。
 第1話「からから小僧」は、秋田! おお~。このネタが「久保田城下百物語」と参考文献があります。これ! 読まなくては!!! 地元民なのに・・教えていただきました。個人的には秋田新幹線にあるスイッチバックがクスっ。
 第3話「イジコ」は、赤ちゃんを入れておく、かごのこと。東北では、「えんつこ」とか少しずつ違った呼び名で呼ばれてますね。
 へえ。籾殻を強いて、おしっこをしても、大丈夫のようにしてたんだ。なんて、知識も。赤ちゃんなのに、怖い・・。イジコという妖怪誕生を知りたくなりました。
 第5話「亡霊船(もうれんせん)では、東日本大震災で、標高が3メートルとなった日和山と、そこから見える海が舞台です。全編怖い中で、このお話では、しんみりもさせていただきました。何しろ今年は震災から10年目ですからね。(復興五輪はどこへやら・・)
 
 それぞれで、地元のおいしい食べ物も出てくるのも、きっとこだわりだと思います。
 このシリーズは、3人の作家の合作ですが、ゲームの詳細などきっと綿密に打ち合わせをしているのだろうなとも思います。コロナ禍の中、いろいろご苦労もあったことでしょう。
 みちのく妖怪ハンターゲーム、実際にあっても、おもしろそうです。

 そして、この4巻発売に伴い、仙台ではいろいろなイベントも行われています。
 仙台文学館では、「みちのく妖怪ツアー展」! 東京モノノケさんの絵がたっぷりと見られることでしょう。それぞれの作家の仕事で必要なアイテムなどの展示もあるらしいですよ。観たかったなあ。コロナで緊急事態宣言が出なければ、行くつもりでいたのに、本当に残念です。
 またtbcラジオでは、「みちのく妖怪ツアー 古民家ステイ編」の朗読があるとのこと。
 今年の夏は東北もかなり暑いようですが、妖怪達に涼しくしてもらえますね。
 ラジオでは「みちのく児童文学リレー」をご一緒させていただいている仲間です。ますますのご活躍をお祈りいたしております。